[math]1993年京都大学理系前期3

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問題

\(f(x)\)は\(x\)の整式、\(c\)は定数とする。等式\(\int_{x}^{x+1}{f(t)dt} = cf(x)\)がすべての\(x\)で成り立つならば、\(f(x)\)は定数であることを示せ。(\(30\)点)

方針

\(f(x)\)が整式という条件なので、とりあえず$$f(x) = a_{n}x^{n} + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_1x + a_0 $$と置いてみる。最高次の係数だけ比べて話が済めば簡単なのだが、そううまくはいかない。

解答

$$f(x) = a_{n}x^{n} + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots + a_1x + a_0 $$と置く。ただし、\(n\)は\(1\)以上の整数で、\(a_n \ne 0\)である。この時、$$\int_{x}^{x+1}{f(t)dt} = \frac{a_n}{n+1}((x+1)^{n+1}-x^{n+1}) + \frac{a_{n-1}}{n}((x+1)^n-x^n) + \cdots$$となる。二項定理で展開すると、\(n\)次の係数は\(a_n\)であり、\(n-1\)次の係数は\((\frac{n}{2}a_n+a_{n-1})\)である。これが$$cf(x) = ca_{n}x^n+ca_{n-1}x^{n-1}+\cdots$$に等しいので、\(a_n = ca_n, \frac{n}{2}a_{n} + a_{n-1}=ca_{n-1}\)である。

\(a_n \ne0\)だから、最初の式から\(c = 1\)であるが、これを二番目の式に代入すると\(a_n=0\)となっておかしい。したがって、\(a_n \ne 0\)という仮定がおかしいのである。以上より、\(f(x)\)は定数である。

解説

この手の問題では具体的において、計算するのが一番早い。\(2, 3\)次の整式の場合は係数全部、それ以上の次数でも少なくとも\(n-1\)次くらいまでは調べる必要がある。

関連問題

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