[math]1994年東京大学理系数学問題1

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問題

f(x)=x4+x3+12x2+16x+124g(x)=x5+x4+12x3+16x2+124x+1120とする。このとき、以下のことが成り立つことを示せ。
(1)任意の実数xに対し、f(x)>0である。
(2)方程式g(x)=0はただひとつの実数解αをもち、1<α<0となる。

方針

とりあえず微分してみたくなるが。(2)(1)を利用する。

解答

(1)f(x)=x2(x+12)2+14x2+16x+124

=x2(x+12)2+(x+13)2+172>0

(2)x0に対してt=1xとすると、f(x)=x4(1+t+12t2+16t3+124t4)である。かっこの中身をh(t)=と置くと、(1)からx0の時f(x)>0だから、h(t)>0でもある。

g(0)=11200だから、g(x)=x5(1+t+12t2+16t3+124t4+1120t5)として、かっこの中身をG(t)とすると、G(t)=h(t)>0である。

G(t)tに関しての単調増加関数で、limtG(t)=かつG(1)=130だから、t<1G(t)=0となるtが存在する。したがって、1<x<0g(x)=0となるxがただひとつ存在する。

解説

exのTaylor展開を題材にした問題である。実際に上記のh(t)を用いて、p(t)=eth(t)などと置くと、p(t)=et(h(t)h(t))

=t424et

となり、p(t)が単調減少であることが分かる。limtp(t)=0であるから、p(t)>0がわかり、h(t)>0、したがってf(x)>0が分かる。

(2)(1)を利用すれば良い。一般に、fn(x)=1+x+x22!+x33!++xnn!と置いた時、nが奇数であればfn(x)=0はただひとつの実数解を持ち、nが偶数であれば、fn(x)>0である。証明は、gn(x)=exfn(x)と置いて微分すれば簡単である。

コメント

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