[math]1961年東京大学理系数学問題2

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問題

\(x\)の\(4\)次式\(f(x)\)において$$f(-0.2)=2.226, f(-0.1)=2.460, f(0)=2.718, f(0.1)=3.004, f(0.2)=3.320$$であるとき、\(f^{\prime}(0)\)を求めよ。

方針

\(4\)次関数を偶関数、奇関数に分けて考える。Lagrangeの補間公式を用いると\(f(x)\)を求めることができるが、必要ではない。

解答

\(f(x) = ax^4+bx^3+cx^2+dx+e\)とする。$$f(x)-f(-x) = 2bx^3 + 2dx$$である。この式で\(x = 0.1, 0.2\)として、$$f(0.1)-f(-0.1) = 2(b(0.1)^3 + d(0.1)) = 0.544$$ $$f(0.2)-f(-0.2) = 2(b(0.2)^3 + d(0.2)) = 1.094$$となる。これから、$$b(0.1)^3 + d(0.1) = 0.272$$ $$b(0.2)^3 + d(0.2) = 0.547$$である。両式とも両辺を\(1000\)倍して、$$b + 100d = 272$$ $$8b + 200d = 547$$これを解くと、\(b = \frac{1}{2}, d = \frac{5.43}{2} = 2.715\)となる。よって、\(f^{\prime}(0) = d = \)

\(2.715\)

である。

解説

Lagrangeの補間公式から、$$f(x)=\frac{(x+0.1)(x+0)(x-0.1)(x-0.2)}{(-0.2+0.1)(-0.2-0)(-0.2-0.1)(-0.2-0.2)}f(-0.2)$$ $$+\frac{(x+0.2)(x+0)(x-0.1)(x-0.2)}{(-0.1+0.2)(-0.1-0)(-0.1-0.1)(-0.1-0.2)}f(-0.1)$$ $$+\frac{(x+0.2)(x+0.1)(x-0.1)(x-0.2)}{(0.2)(0.1)(-0.1)(-0.2)}f(0)$$ $$+\frac{(x+0.2)(x+0.1)(x)(x-0.2)}{(0.1+0.2)(0.1+0.1)(0.1)(0.1-0.2)}f(0.1)$$ $$+\frac{(x+0.2)(x+0.1)(x)(x-0.1)}{(0.2+0.2)(0.2+0.1)(0.2)(0.2-0.1)}f(0.2)$$と関数を求めることができる。しかし、これは解答に必要はない。実質的にこの問題は単なる連立方程式である。

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