[math]1972年京都大学文理共通文系問題2理系問題3

問題

実数または複素数の\(x, y, z, a\)について、\(x+y+z = a, x^3+y^3+z^3 = a^3\)の二式が成立するとき、\(x, y, z\)のうち少なくとも1つは\(a\)に等しいことを示せ。

方針

「少なくとも」が扱いにくいと感じた場合は、積を考えるのが常套手段になる。

解答

恒等式$$x^3+y^3+z^3-3xyz = (x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)$$が成り立つ。また、$$x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx = (x+y+z)^2-3(xy+yz+zx)$$であるから、与えられた二式を代入して、$$a^3-3xyz = a\{a^2-3(xy+yz+zx)\}$$である。これを整理すると、$$xyz = a(xy+yz+zx)$$となる。したがって、$$(x-a)(y-a)(z-a) = xyz -a(xy+yz+zx)+a^2(x+y+z)-a^3$$ $$ = a(xy+yz+zx)-a(xy+yz+zx) + a^3-a^3$$ $$ = 0$$となり、\(x, y, z\)のうち少なくとも1つは\(0\)になる。

解説

\(x, y\)の少なくとも1つが\(0\)\(\iff xy = 0\)という当たり前の事実を意外に見落としやすい。この問題でも初めは$$(x-a)(y-a)(z-a)$$をつくるが、その過程で別の関係式が必要であることに気がつく。それが解答の前段の部分である。簡単のため上のような流れで記述しているが、思考の流れとしては逆の順番で考えている。

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