[math]1997年京都大学後期数学過去問問題2

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問題

自然数\(n\)と\(n\)項数列\(a_k (1\leq k\leq n)\)が与えられていて、次の条件(イ)、(ロ)を満たしている。
(イ)\(a_k (1\leq k\leq n)\)はすべて正整数で、すべて\(1\)と\(2n\)の間にある。$$1\leq a_k\leq 2n$$
(ロ)\(\displaystyle{s_j = \sum_{k=1}^{j}{a_k}}\)とおくとき、\(s_j (1\leq j\leq n)\)はすべて平方数である(整数の二乗である数を平方数という)。このとき、
\((1)\) \(s_n = n^2\)であることを示せ。
\((2)\) \(a_k (1\leq k\leq n)\)を求めよ。

方針

ここで\(n\)は変数ではなく、与えられた定数であることに注意する。

解答

\((1)\) \(n = 1\)のとき、条件(イ)から\(1\leq a_1\leq 2\)で、条件(ロ)から\(s_1 = a_1\)が平方数だから、\(a_1 = 1\)である。よって、\(s_1 = 1^2\)で、題意が成り立つ。\(n > 1\)の時を考える。\(a_k (1\leq k\leq n)\)は正整数であるから、$$s_1 < s_2 < \cdots < s_n$$である。\(s_j (1\leq j\leq n)\)はすべて平方数であるから、\(n^2 \leq s_n \)である。すなわち、\(s_n = m^2\)としたとき、\(n\leq m\)である。また、\(s_{n-1}\leq (m-1)^2\)となる。したがって、$$\begin{eqnarray}a_n & = & s_n-s_{n-1} \\ & =\geq & m^2-(m-1)^2 \\ & = & 2m-1 \end{eqnarray}$$となる。一方、条件(イ)から\(a_n\leq 2n\)であるから、\(2m-1\leq 2n\)である。以上、\(n\leq m\)かつ\(2m-1\leq n\)であるから、\(n = m\)である。よって、\(s_n = n^2\)である。

\((2)\) \(n = 1\)の時は\(a_n = 1\)となる。\(n > 1\)のとき、\((1)\)の過程から\(s_1 = 1^2, s_2 = 2^2, \cdots, s_n = n^2\)がわかる。したがって\(a_1 = 1\) $$\begin{eqnarray}a_k & = & s_k-s_{k-1} \\ & = & k^2-(k-1)^2 \\ & = & 2k-1 (n\geq 2)\end{eqnarray}$$となる。これは\(k=1\)でも成立する。

解説

意外な難問で、解けたと思って見直してみると思わぬ間違いをしてしまっていた、という嫌なタイプの問題。\((2)\)で\(n=1\)のときは\(s_{n-1}\)を定義できないので、分けて考える。

コメント

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