[math]1991年東京医科歯科大学前期数学問題1

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問題

\((1)\) \((b-a)(b+a) = 9\)を満たす整数\(a, b\)の組\((a, b)\)をすべて求めよ。
\((2)\) \(\sqrt{c^2+72}\)が整数となるような整数\(c\)をすべて求めよ。
\((3)\) \(a^2+7ab+12b^2+a+3b-9 = 0\)を満たす整数\(a, b\)の組\((a, b)\)をすべて求めよ

方針

\((3)\)は因数分解する。

解答

\((1)\) \((b-a)(b+a) = 9\)だから、\((b-a, b + a) = (1, 9), (3, 3), (-1, -9), (-3, -3), (-9, -1)\)のどれかである。このとき順に\((a, b) = (4, 5), (0, 3), (-4, 5), (-4, -5), (0, -3), (4, -5)\)となり、これらはすべて答えである。

\((2)\) \(c = 0\)のときは\(\sqrt{c^2+72}\)は整数ではない。\(c\)が正のときでも負のときでも\(\sqrt{c^2+72}\)の値は同じなので、正として考える。\(\sqrt{c^2+72} = m\)とすると、\(c^2+72 = m\)で、変形して\((m-c)(m+c) = 72 = 2^3\cdot 3^2\)である。\(m+c > 0\)と、\((m+c)-(m-c) = 2c > 0\)で、\(2c\)は偶数だから\(m+c\)と\(m-c\)の奇偶が一致することに注意すると、\((m+c, m-c) = (36, 2), (18, 4), (12, 6)\)のいずれかである。このとき順に\((m, c) = (19, 17), (11, 7), (9, 3)\)となる。よって、\(c\)がマイナスのときも考えると、求める答えは\(c = 17, 7, 3, -3, -7, -17\)となる。

\((3)\) $$\begin{eqnarray}a^2 + 7ab + 12b^2+a+3b-9 & =& a^2+(7b+1)a + 12b^2 + 3b-9 \\ & = & a^2 + (7b+1)a + 3b(4b+1)-9 \\ & = & (a+3b)(a+4b+1)-9 \\& = & 0\end{eqnarray}$$となる。したがって、\((a+3b, a+4b+1) = (9, 1), (3, 3), (1, 9), (-9, -1), (-3, -3), (-1, -9)\)となり、順に\((a, b) = (36, -9), (0, -1), (-20, 7), (-30, 7), (6, -1), (26, -9)\)となる。これらはすべて答えである。

解説

\((1), (2)\)はよくあるタイプの問題である。\((2)\)は解答では簡単のために\(c > 0\)のときだけ考えているが、\(c < 0\)を含めて考えてもそれほど手間はかわらない。問題が\((3)\)で、そのままでは解けそうにないので、因数分解ができないかまず試してみる。与えられた式を\(a\)の二次式と見て\(a\)についてまとめると、上手い具合に因数分解が可能なことが分かる。もしも例えば\(a^2\)の係数が\(2\)などで因数分解ができないときには、別の方法を考える必要があるが、大学入試の問題で誘導なしに無茶をさせる問題は少ないだろう。

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