[math]1991年東京大学前期理系数学問題1

問題

平面上に正四面体が置いてある。平面と接している面の\(3\)辺のひとつを任意に選び、これを軸として正四面体をたおす。\(n\)回の操作の後に、最初に平面と接していた面が再び平面と接する確率を求めよ。

方針

漸化式を立てる。

解答

求める確率を\(p_n\)とする。最初に平面に接していた面を\(\alpha\)とすると、\(\alpha\)以外の面が\(n\)回の操作終了後に平面に接している確率は、対称性から\(\displaystyle \frac{1-p_n}{3}\)となる。\(n\)回の操作後を考えると、
1: \(\alpha\)が\(n\)回の操作後に平面に接していると、\(n+1\)回の操作後には平面に接しない
2: \(\alpha\)以外のどの面が\(n\)回の操作後に平面に接していても、\(n+1\)回の操作後に\(\alpha\)が平面に接する確率は\(\displaystyle \frac{1}{3}\)である
ことに注意すると、$$p_{n+1} = 0\cdot p_n + \frac{1}{3}\cdot \frac{1-p_n}{3}\cdot 3$$という漸化式が成り立つ。変形すると、\(\displaystyle p_{n+1}-\frac{1}{4}=\frac{1}{3}\left(p_n-\frac{1}{4}\right)\)である。\(p_1 = 0\)だから、\(\displaystyle \underline{p_n = \frac{1}{4}\left(1-\left(\frac{1}{3}\right)^{n-1}\right)}\)がわかる。

解説

最初に平面に接していた面以外が\(n\)回の試行後に平面に接している確率は対称性から全て等しいことに気がつけばあっという間に解決する。確率で漸化式を立てるタイプの問題では対称性が鍵となることが多く、日頃から意識すると良い。ちなみに、\(n\to \infty\)の時\(\displaystyle p_n \to \frac{1}{4}\)となるが、十分な回数試行を繰り返すと、\(4\)つの面のうちどれか一つが平面に接していると考えられるので、自然な結果である。

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