[math]2000年京都大学前期文理共通問題文系問題1理系問題1

問題

円に内接する四角形\(ABPC\)は次の条件(イ)、(ロ)を満たしているとする。
(イ) 三角形\(ABC\)は正三角形である。
(ロ) \(AP\)と\(BC\)の交点は線分\(BC\)を\(p: 1-p (0<p<1)\)の比に内分する。
このときベクトル\(\overrightarrow{AP}\)を\(\overrightarrow{AB}, \overrightarrow{AC}, p\)を用いて表わせ。

方針

色々な解き方が考えられる。内積計算で押しても良いし、余弦定理を用いるのもいいだろう。

解答

三角形\(ABC\)の一辺の長さを\(a\)とする。\(AP\)と\(BC\)との交点を\(D\)とすると、\(\overrightarrow{AD} = (1-p)\overrightarrow{AB}+p\overrightarrow{AC}\)である。

概略図。

余弦定理から$$AD = \sqrt{AB^2+BD^2-2AB\cdot BD\cdot \cos{\angle{ABD}}}$$である。\(AB=a, BD=pa, \angle{ABD} = 60^\circ\)なので、\(AD=a\sqrt{1+p^2-p}\)である。三角形\(ADB\)と\(CDP\)は相似で、\(AD:CD=BD:PD\)である。\(CD=a(1-p), BD=pa\)を代入して、\(\displaystyle PD = \frac{ap(1-p)}{\sqrt{p^2-p+1}}\)となる。よって、$$\begin{eqnarray}\frac{AP}{AD} & = & \frac{AD+DP}{AD} \\ & = & 1+\frac{DP}{AD} \\ & = & 1+\frac{p(1-p)}{p^2-p+1}\\ & = & \frac{1}{p^2-p+1}\end{eqnarray}$$となる。以上より、\(\displaystyle \overrightarrow{AP} = \frac{AP}{AD}\overrightarrow{AD} = \underline{\frac{(1-p)\overrightarrow{AB}+p\overrightarrow{AC}}{p^2-p+1}}\)となる。

解説

典型的だが良い問題である。落ち着いて考察出来れば何ということはないが。余弦定理を用いて考えても良いし、内積計算で押しても良い。結局、内積と余弦定理は表裏の関係にあるので同じことである。ベクトルで解けなかった場合でも座標に乗せてしまえばそこそこの計算量で解くことも出来る。試験場では最適な方法をとれるとは限らない。一つの問題に対した色々な解法を研究することが効果的である。

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