問題
行列に対し、次の問いに答えよ。
任意の整数に対して、を数学的帰納法によって求めよ。また、与えられたに対しとおくとき、極限を求めよ。ただし、とする。
方針
予想して帰納法で・・・。
解答
であることを数学的帰納法で示す。ただし、である。であるからのときに正しい。あるで正しいと仮定すると、となり、でも正しい。数学的帰納法によって、となる。
これから、である。
のとき、で、となるので、となる。よって、である。
のとき、である。これから、と置いて、と変形して、となる。
解説
解答のについてだが、次のように推測している。まず、と求めていくとの形になる事が推測される。はすぐには分からないので漸化式を立てる。だから、となり、となる。であるが、両辺にを掛けてから、とすると、となる。これを解くことは難しくない。以上のことを解答では省略しており、また実際の試験で解答を作成する際にも記述する必要はない。が、部分点をえるという意味でも記述は残しておいて損をすることは無いだろう。極限はがになるかどうかで状況が異なる。この手のタイプの問題では場合分けが生じることが多いので、慌てて答えを出したものは頭に入れておくと良い。
関連問題
1971年東京大学文理共通問題文系問題2理系問題2 漸化式と数列、不等式
1996年京都大学前期文系数学問題2 誤差の評価、二つの漸化式、ガウスの算術幾何平均
1998年後期京都大学理系数学問題1 行列の基礎、ハミルトン・ケーリーの式の確認
2011年東京医科歯科大学前期数学問題1 確率と漸化式
2012年東京医科歯科大学前期数学問題1 行列と数列、行列式と数列同士の関係
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