[math]2022年京都大学理系数学問題3

ancient architecture asia building math
Photo by Pixabay on Pexels.com

問題

nを自然数とする。3つの整数n2+2,n4+2,n6+2の最大公約数Anを求めよ。

方針

n6は急速に大きくなるので、実験もしにくい。Euclidの互除法を用いて考える。

解答

n4+2n2+2で割ると、n4+2=(n2+2)(n22)+6となるから、Eulcidの互除法からn4+2n2+2の最大公約数はn2+26の最大公約数に等しい。したがって、n2+2,n4+2,n6+26で割った余りを考える。以下6を法とする。n0n2+22n4+22n6+22n1n2+23n4+23n6+23n2n2+20n4+20n6+20n3n2+25n4+25n6+25n4(2)n2+20n4+20n6+20n5(1)n2+23n4+23n6+23となる。以上から、n0のときはAn=2n1のときはAn=3n2のときはAn=6n3のときはAn=1n4のときはAn=6n5のときはAn=3となる。

解説

合同式を用いると記述は便利になる。整式の割り算について、一度復習しておく。例えばn4+2n2+2で割った商と余りを考える。下図のように、係数だけを書いていく。


1. まずn4+2n2+2を係数だけ書く。
2. n4+2n4の係数は1だから、n2の係数1を見て、頭に1を書く。
3. 1×(n2+2)の係数を下に書く。
4. 上の段と下の段で引き算を行う。
5. 引き算を行った段の最初の係数2をみて、上に2を書く。
6. 2×(n2+2)の係数をさらに下に書く。
7. 余りの6n2+2よりも次数が小さいので、割り算はこれで終了である。

以上より、商はn22、余りが6であることがわかる。

整式の割り算の手順。

合同式については、以下のリンクも参照すると良い。

合同式についての解説記事。

今年度の東京大学や京都大学の問題を見ると、難関大学では合同式なしで入試数学を乗り切るのはなかなか骨が折れそうである。

関連問題

1979年東京大学文理共通問題文系問題4理系問題3 合同式
2019年東京大学理系数学問題4 整数、Euclidの互除法
2020年前期東京工業大学数学問題1 合同式、整式と素数、素数生成多項式
2022年東京大学理系前期数学問題2 Euclidの互除法,漸化式と合同式

関連リンク

京都大学
京都大学のオフィシャルサイトです。学部・大学院、研究所等の案内や、入試・入学案内、教育研究活動、キャンパスの最新情報など、京都大学に関する情報をご覧いただけます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました