問題
\(1\)番から\(7\)番まで番号のついた席が番号順に一列に並んでいる。客が順に到着して次のように着席していくとする。
\(\text{(イ)}\) 両端の席および先客が着席している隣の席に次の客が着席する確率は、すべて等しい。
\(\text{(ロ)}\) 両隣が空席の席に着席する確率は、隣の席にすでに先客が着席している席または端の席に着席する確率に比べて\(2\)倍である。
このとき、
\((1)\) \(3\)人目の客が到着したときに、すでに\(1\)番と\(3\)番の席に先客が着席している確率を求めよ。
\((2)\) \(4\)人目の客が到着したときに、すでに\(2\)番、\(4\)番、\(6\)番の席に先客が着席している確率を求めよ。
方針
図を書いて考える。
解答
\((1)\) 一人目の客が\(1\)番の席に座り、二人目の客が\(3\)番の席に座るとき、確率は下の\(\text{①}\)の図のようになる。
このときの確率は\(\displaystyle \frac{1}{12}\cdot \frac{2}{10} = \frac{1}{60} \)となる。また、一人目の客が\(3\)番目の席に座り、二人目の客が\(1\)番目の席に座るとき、確率は図の\(\text{②}\)のようになる。このときの確率は\(\displaystyle \frac{2}{12}\cdot \frac{1}{8} = \frac{1}{48}\)となる。求める確率は\(\displaystyle \frac{1}{60} + \frac{1}{48} = \underline{\frac{3}{80}}\)となる。
\((2)\) \((i)\) 一人目の客が\(2\)番目の席に座り、二人目の客が\(4\)番目の席に座り、三人目の客が\(6\)番目の積に座るとき、確率は図の\(\text{③}\)のようになる。このときの確率は\(\displaystyle \frac{2}{12}\cdot \frac{2}{9}\cdot \frac{2}{6} = \frac{1}{81}\)となる。
\((ii)\) 一人目の客が\(2\)番目の席に座り、二人目の客が\(6\)番目の席に座り、三人目の客が\(4\)番目の積に座るとき、確率は下の図の\(\text{④}\)のようになる。このときの確率は\(\displaystyle \frac{2}{12}\cdot \frac{2}{8}\cdot \frac{2}{6} = \frac{1}{72}\)となる。
\((iii)\) 一人目の客が\(4\)番目の席に座り、二人目の客が\(2\)番目の席に座り、三人目の客が\(6\)番目の積に座るとき、確率は下の図の\(\text{⑤}\)のようになる。このときの確率は\(\displaystyle \frac{2}{12}\cdot \frac{2}{8}\cdot \frac{2}{6} = \frac{1}{72}\)となる。
\((iv)\) 一人目の客が\(4\)番目の席に座り、二人目の客が\(6\)番目の席に座り、三人目の客が\(2\)番目の積に座るとき、対称性から確率は\((iii)\)と同じ\(\displaystyle \frac{1}{72}\)となる。
\((v)\) 一人目の客が\(6\)番目の席に座り、二人目の客が\(4\)番目の席に座り、三人目の客が\(2\)番目の積に座るとき、対称性から確率は\((i)\)と同じ\(\displaystyle \frac{1}{81}\)となる。
\((vi)\) 一人目の客が\(6\)番目の席に座り、二人目の客が\(2\)番目の席に座り、三人目の客が\(4\)番目の積に座るとき、対称性から確率は\((ii)\)と同じ\(\displaystyle \frac{1}{81}\)となる。
以上から、求める確率は\(\displaystyle \frac{4}{81} + \frac{2}{72} = \underline{\frac{5}{324}}\)となる。
解説
あまり見ないタイプの問題だが、現実的で面白い。\((1)\)も\((2)\)も地道に場合分けして出来れば十分であるが、\((2)\)では対称性に着目すると少し楽になる。この問題が解けたかどうかでこの年の京大の合否は大きく左右されたことだろう。
関連問題
1976年京都大学理系数学問題6 確率と極限
1993年東京大学理系前期数学問題5 確率と漸化式、個別に考える
1994年京都大学前期文系数学問題4 確率と漸化式、7で割り切れる確率
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