[math]2007年東京医科歯科大学前期数学問題3

doctor talking to a patient math
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問題

adbc=1,a>0を満たす整数a,b,c,dを考える。行列A=(610107),B=(1002),M=(abcd),N=(acbd)NA=BM1を満たすとき、以下の各問いに答えよ。ただしM1Mの逆行列を表す。
(1) 6a2+20ac+17c2の値を求めよ。
(2) 2a2+b2の値を求めよ。
(3) a,b,c,dの値を求めよ。
(4) 6x2+20xy+17y2=59を満たす実数x,yに対して{X=dxbyY=cx+ayとおくとき、X2+2Y2の値を求めよ。
(5) 6x2+20xy+17y2=59を満たす整数の組(x,y)をすべて求めよ。

方針

総合的な問題であるが、必要なのは粘り強い計算力だけである。

解答

(1) adbc=1からM1=(dbca)となる。これをNA=BM1に代入して、(acbd)(610107)=(1002)(dbca)となる。計算して、(6a+10c10a+17c6b+10d10b+17d)=(db2c2a)となる。これから、{6a+10c=d10a+17c=b3b+5d=c10b+17d=2aとなる。第一式と第三式からdを消去すると3b+5(6a+10c)=cだから、整理してb=10a17cとなる。第二式と第四式からbを消去すると10(10a17c)+17d=2aだから、整理してd=6a+10cとなる。これらの式をadbc=1に代入して、adbc=a(6a+10c)c(10a17c)=6a2+20ac+17c2=1となる。よって6a2+20ac+17c2=1である。

(3) (1)から6a2+20ac+17c21=0である。このaに関しての二次方程式は実数解を持つので、判別式(10c)26(17c21)>0である。計算するとc2<3となり、cは整数だったので、c=0,±1しかありえない。c=0とすると(1)から6a2=1となり、これを満たす整数aは存在しない。c=1とすると(1)から6a2+20a+16=0となり、a>0であるからこれを満たす整数aは存在しない。c=1とすると(1)から6a220a+16=(3a4)(2a4)=0となり、a>0であるからa=2となる。これからa=2,c=1であり、(1)から6a+10c=d,b=10a17cであったから、b=3,d=2となる。まとめると、a=2,b=3,c=1,d=2となる。

(2) (3)から2a2+b2=8+9=17となる。

(4) (3)からX=2x+3y,Y=x+2yとなる。したがって、X2+2Y2=(2x+3y)2+2(x+2y)2=(4x2+12xy+9y2)+2(x2+4xy+4y2)=6x2+20xy+17y2=59となる。よってX2+2Y2=59である。

(5) (4)からx,yが整数とするとX,Yも整数である。したがって、2Y2<59からY2=0,1,4,9,16,25しかありえないが、このとき順にX2=59,57,51,41,27,9となり、Xが整数になるのはX2=9のときだけである。このときY2=25で、(X,Y)=(3,5),(3,5),(3,5),(3,5)となる。したがって、(xy)=(abcd)(XY)=(2312)(XY)に順次X,Yを代入すると、(x,y)=(9,7),(21,13),(21,13),(9,7)となる。

解説

(1) ここで躓くと以下の問題は全く手が出ずに終了となってしまう。与えられた条件を計算すると4つの式が出てくるがここから出てくるのは2つの関係式だけである。つまりこの4つの式からは、a,b,c,dを決めることができない。そこで問題文に書かれているadbc=1を用いてみる。上手くd,bを代入すればそのまま求める式が出てくる。adbc=1を失念するとどんなに頑張っても、(1)以降を解くことは厳しい。

(2),(3) どのような解き方をしても良いが、(1)の結果を見るとaあるいはcは余り大きくなれないことが分かる。(1)の結果6a2+2ac+17c2=1は楕円の方程式だからa,cの範囲には制限がある。そこで、aの二次方程式とみて判別式の条件からcを求める。(3)から解くと、(2)が何のためにあるのか分からない。(4)は単に計算するだけ。

(5) メインだが、(4)まで解けていれば簡単。計算ミスをしなければ満点を狙うことも可能な問題である。実は(5)は直接解くこともできる。(5)の式をxの二次方程式とみて判別式が正であるという条件からyの値が定まるからである。それほど面倒ではないので余裕のあるものはチャレンジしてみるとよい。簡単な問題だが試験場では難しく見えるかもしれない。特に(1)は、条件adbc=1を見逃し泥沼に嵌ってしまったという受験生も多かったのかも知れない。

関連問題

1991年東京医科歯科大学前期数学問題1 整数と因数分解、素因数
2021年東京工業大学前期数学問題2 楕円と直線

関連リンク

Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学

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