[math]1970年京都大学理系数学問題3

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問題

空間に\(2\)直線\(l, g\)がある。\(l, g\)の上にそれぞれ\(3\)点\(A_1, A_2, A_3, B_1, B_2, B_3\)がこの順にあって、\(A_1A_2 = B_1B_2, A_2A_3 = B_2B_3\)であるとする。線分\(A_1B_1, A_2B_2, A_3B_3\)の中点をそれぞれ\(M_1, M_2, M_3\)とするとき、\(3\)点\(M_1, M_2, M_3\)は同一直線の上にあることを証明せよ。

方針

ベクトルの出番になる。

解答

点\(A_1, A_2, A_3\)は同一直線\(l\)上にあるので、\(\overrightarrow{A_1A_3} = k\overrightarrow{A_1A_2}\)とおける。このとき、\(A_1A_2 = B_1B_2, A_2A_3 = B_2B_3\)なので、点\(B_1, B_2, B_3\)も同一直線上にあることに注意して、\(\overrightarrow{B_1B_3} = k\overrightarrow{B_1B_2}\)とおける。これから、原点を\(O\)として$$\begin{cases}\overrightarrow{OA_3}-\overrightarrow{OA_1} = k(\overrightarrow{OA_2}-\overrightarrow{OA_1})\\ \overrightarrow{OB_3}-\overrightarrow{OB_1} = k(\overrightarrow{OB_2}-\overrightarrow{OB_1})\end{cases}$$となる。この二式を足して\(2\)で割ると、$$\overrightarrow{OM_3}-\overrightarrow{OM_1} = k(\overrightarrow{OM_2}-\overrightarrow{OM_1})$$となる。よって、\(\overrightarrow{M_1M_3}= k\overrightarrow{M_1M_2}\)となるから、点\(M_1, M_2, M_3\)は同一直線上にある。

解説

見かけは空間だが、このような問題ではべクトルが威力を発揮する。べクトルの始点を適当に原点などに揃えると先が見えてくる。座標で解こうというものは余りいないとは思うが、厳しいことになるだろう。

関連問題

1998年京都大学前期理系問題3 四面体、ベクトル
2006年東京大学前期理系問題1 ベクトルと漸化式、座標
2022年京都大学理系数学問題4 空間ベクトル

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