[math]1972年京都大学数学文理共通問題文系問題3理系問題4

問題

三角形\(ABC\)の内部の一点\(P\)を頂点とする\(1\)つの平行四辺形を\(PQRS\)とする。\(P\)から\(Q\)に向かう半直線が三角形\(ABC\)の周を交わる点を\(Q^{\prime}\)とし、\(R^{\prime}, S^{\prime}\)も同様の点とする。$$\overrightarrow{PQ} = a\overrightarrow{PQ^{\prime}}, \overrightarrow{PR} = b\overrightarrow{PR^{\prime}}, \overrightarrow{PS} = c\overrightarrow{PS^{\prime}}$$とおくとき、\(a+c\geq b\)が成立することを示せ。ただし、\(\overrightarrow{PQ}\)などはベクトルを表す。

方針

難しく考えなければ意外にあっさり解けてしまう。

解答

\(PQRS\)は平行四辺形なので、\(\overrightarrow{PR} = \overrightarrow{PQ} + \overrightarrow{PS}\)である。ここに与えられた関係式を代入すると、$$a\overrightarrow{PQ^{\prime}} + c\overrightarrow{PS^{\prime}} = b\overrightarrow{PR^{\prime}}$$となる。よって、$$\overrightarrow{PR^{\prime}} = \frac{a}{b}\overrightarrow{PQ^{\prime}} = \frac{c}{b}\overrightarrow{PS^{\prime}}$$となる。下の図から、点\(R^{\prime}\)は三角形\(PQ^{\prime}R^{\prime}\)の周上または外部に存在することが分かる。よって、\(\displaystyle \frac{a}{b}+\frac{c}{b}\geq 1\)となり、\(a+c\geq b\)が成り立つ。

直線\(PR^{\prime}\)は\(\angle{Q^{\prime}PS^{\prime}}\)の間にある。

解説

解答の図のように半直線\(PQ^{\prime}\)と\(PS^{\prime}\)が三角形\(ABC\)の異なる\(2\)つの辺と交わる場合と、一つの辺と交わる場合が考えらる。前者では点\(R^{\prime}\)は三角形\(PQ^{\prime}S^{\prime}\)の外部に、後者では辺上に存在することになる。後半の場合について余裕のあるものは是非図を書いてみると良い。

関連問題

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