[math]2004年京都大学前期文系数学問題3

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問題

三角形\(OAB\)において、\(\overrightarrow{a} = \overrightarrow{OA}, \overrightarrow{b} = \overrightarrow{OB}\)とする。$$\mid \overrightarrow{a} \mid = 3, \mid \overrightarrow{b} \mid = 5, \cos{\angle{AOB}} = \frac{3}{5}$$とする。このとき、\(\angle{AOB}\)の\(2\)等分線と、\(B\)を中心とする半径\(\sqrt{10}\)の円との交点の、\(O\)を原点とする位置ベクトルを、\(\overrightarrow{a}, \overrightarrow{b}\)を用いて表わせ。

方針

円と直線の交わりなので、答えは\(2\)つ出てくる。

解答

\(\angle{AOB}\)の\(2\)等分線と\(AB\)との交点を\(D\)とすると、\(AD: DB = OA:OB = 3:5\)だから、\(2\)等分線上の点は\(\displaystyle k\frac{5\overrightarrow{a} + 3\overrightarrow{b}}{8}\)と置ける。この点と点\(B\)との距離は、\(\displaystyle \left| k\frac{5\overrightarrow{a} + 3\overrightarrow{b}}{8}\right|\)である。この値が\(\sqrt{10}\)であるような\(k\)の値を求める。$$\begin{eqnarray}\frac{5k\overrightarrow{a} + (3k-8)\overrightarrow{b}}{8}\left(\right)^2 & = & 10\\ 25k^2|\overrightarrow{a}|^2 + 10k(3k-8)\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b} + (3k-8)^2|\overrightarrow{b}|^2 & = & 640\end{eqnarray}$$である。ここに\(\displaystyle |\overrightarrow{a}| = 3, |\overrightarrow{b}| = 5, \overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b} = 3\cdot 5\cdot \frac{3}{5} = 9\)を代入して整理すると、$$720k^2-1920k+960 = 0$$となる。更に整理すると\((3k-2)(k-2) = 0\)となる。よって、\(\displaystyle k = \frac{3}{2}, 2\)で、この\(k\)に対応する点は順に\(\displaystyle \underline{\frac{5\overrightarrow{a} + 3\overrightarrow{b}}{12}, \frac{5\overrightarrow{a} + 3\overrightarrow{b}}{4}}\)となる。

解説

多少派手な計算になるが、落ち着いてとりたい。\(AD: DB = OA:OB = 3:5\)は中学校の幾何の知識である。

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