問題
正三角形がある。点を直線に関してと反対側にとってとなるようにし、ベクトルをそれぞれで表す。このとき、であることを証明せよ。ただし、はそれぞれの大きさを示す。
方針
は一次独立なので、などと置いてを求める。
解答
は一次独立なので、としたとき、は一意に定まる。とすると、なので、である。だから、である。同様に、だから、である。また、だから、である。
は正三角形なので、である。式を作ると、である。さて、式にを代入するととなり、式が成り立つ。さらに、式, にこのの値を代入すると、となり、式と一致する。よって、となり、題意が成り立つ。
解説
立式までは簡単であるが、, , の値は等しいのでここからの値を求めてしまえば良い。しかし、この問題がべクトルの問題でしかも証明問題ということに思いを馳せると、その必要はないことに気がつく。一次独立性を上手く使うと解答のように実際にの組をみつけて、つの式を満たしていることが言えれば計算は必要ない。なかなか気がつきにくいかもしれないが、良い問題である。
なお、点はを満たす点というだけなので、特には正三角形にならないことに注意する。
関連問題
1972年京都大学数学問題文理共通理系問題1文系問題1 ベクトルと論証
1972年京都大学数学文理共通問題文系問題3理系問題4 ベクトルと論証、平行四辺形
1998年京都大学前期理系問題3 四面体、ベクトル
2004年京都大学前期文系数学問題3 角の二等分線とベクトル
2008年京都大学前期理系乙数学問題3 ベクトルと一次独立
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