[math]1975年京都大学理系数学問題4

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問題

平面上で、\(3\)つの定点\(A, B, C\)と定円の周上を動く点\(P\)がある。ベクトル\(\overrightarrow{PA} + \overrightarrow{PB} + \overrightarrow{PC}\)の大きさが最大となるのは点\(P\)がどんな位置にあるときか。

方針

定円の中心を起点にして考える。

解答

定円の中心を\(O\)とすると、$$\begin{eqnarray}|\overrightarrow{PA} + \overrightarrow{PB} + \overrightarrow{PC} | & = & |\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC}-3\overrightarrow{OP}|\\ & = & 3\left|\frac{\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC}}{3}-\overrightarrow{OP}\right|\end{eqnarray}$$である。ここで、\(3\)点\(A, B, C\)のうちどれかが一致しているときもしていないときも、\(\displaystyle \frac{\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC}}{3}\)となる点は存在する。この点を\(G\)とすると、\(|\overrightarrow{PA} + \overrightarrow{PB} + \overrightarrow{PC}| = 3|\overrightarrow{OG}-\overrightarrow{OP}|\)となる。直線\(OG\)と定円とが交わる点は\(2\)個あり、点\(G\)に遠い方に点\(P\)があるとき、\(|\overrightarrow{PA} + \overrightarrow{PB} + \overrightarrow{PC}|\)が最大になることが分かる。

位置関係を示す説明図。

解説

\(ABC\)が三角形を作るとき、上の点\(G\)は三角形の重心になる。あっさり解決できたものも多かったかもしれないがそれほど簡単ではない。点\(A, B, C\)の位置が全く指定されていないのでそもそも三角形を作るかどうかは分からない。三角形を作らなくても、\(G\)にあたる点は存在するので、大きな問題は起きない筈であるが。細かい点を除外すれば良問だとは思う。

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