[math]1978年京都大学数学文理共通問題文系問題2理系問題2

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問題

三角形\(OAB\)の重心\(G\)を通る直線が、辺\(OA, OB\)とそれぞれ辺上の点\(P, Q\)で交わっているとする。\(\overrightarrow{OP} 0 h\overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OQ} = k\overrightarrow{OB}\)とし、三角形\(OAB\)、三角形\(OPQ\)の面積をそれぞれ\(S, T\)とすれば、次の関係が成り立つことを示せ。
\((1)\) \(\displaystyle \frac{1}{h}+\frac{1}{k} = 3\)
\((2)\) \(\displaystyle \frac{4}{9}S\leq T \leq \frac{1}{2}S\)

方針

\((2)\) 相加平均・相乗平均の関係式が使える。

解答

\((1)\) \(\displaystyle \overrightarrow{OG} = \frac{\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB}}{3}\)であり、\(\overrightarrow{OG} = (1-x)\overrightarrow{OP} + x\overrightarrow{OQ}\ \ (0<x<1)\)とおける。ここに\(\overrightarrow{OP} = h\overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OQ} = k\overrightarrow{OB}\)を代入して、\(\overrightarrow{OG} = h(1-x)\overrightarrow{OA} + kx\overrightarrow{OB}\)となる。したがって、$$\begin{cases}\displaystyle h(1-x) = \frac{1}{3}\\ \displaystyle kx = \frac{1}{3}\end{cases}$$である。この式から\(x\)を消去すると、\(\displaystyle x = \frac{1}{3k} = 1-\frac{1}{3h}\)となる。よって、\(\displaystyle \frac{1}{h}+\frac{1}{k}=3\)となる。

\((2)\) \(\displaystyle \frac{T}{S} = hk\)だから、\((1)\)の条件のもとで\(\displaystyle \frac{4}{9}\leq hk\leq \frac{1}{2}\)を示せば良い。\(\displaystyle 0 < x = \frac{1}{3k} < 1\)だから、\(\displaystyle \frac{1}{3}<k\)となる。また、点\(Q\)は辺\(OB\)上にあるので、\(k < 1\)である。つまり、\(\displaystyle \frac{1}{3}<k<1\)となる。相加平均・相乗平均の関係から$$\frac{1}{2}\left(\frac{1}{h}+\frac{1}{k}\right)\geq \sqrt{\frac{1}{hk}}$$である。よって、\(\displaystyle \frac{3}{2}\geq \sqrt{\frac{1}{hk}}\)だから、\(\displaystyle \frac{4}{9}\leq hk\)となる。また、\(\displaystyle hk\leq \frac{1}{2}\)を示すには、\(\displaystyle 2k\leq \frac{1}{h} = 3-\frac{1}{k}\)を示せば良い。両辺に\(k\)を掛けて整理すると、\(2k^2-3k+1 = (2k-1)(k-1)\leq 0\)を示せばよいのだが、\(\displaystyle \frac{1}{3}<k<1\)なのでこれは成立する。以上から題意が成り立つ。

解説

一見ベクトルの問題に見えるが、数と式の問題に帰着される。\((2)\)の左側の不等式は相加平均・相乗平均の関係を用いるのが良いだろう。

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