[math]1982年京都大学文系数学問題5

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問題

平面上に四辺形\(ABCD\)があって、どの頂点も、残りの頂点が作る三角形の外部にある。三角形\(BCD\)の重心を\(A_1\)、三角形\(CDA\)の重心を\(B_1\)、三角形\(DAB\)の重心を\(C_1\)、三角形\(ABC\)の重心を\(D_1\)として、四辺形\(A_1B_1C_1D_1\)を作る。
\((1)\) 線分\(AA_1, BB_1, CC_1, DD_1\)は\(1\)点\(P\)を共有することを示せ。
\((2)\) \((1)\)において、点\(P\)は各線分をどのような比に分けるか。

方針

この問題とほとんど同じ考え方を用いる。

京都大学のベクトルの過去問。

解答

\((1)\) \(4\)点\(A, B, C, D\)を任意に並べたものを\(P_1, P_2, P_3, P_4\)とする。このとき、三角形\(P_2P_3P_4\)の重心は、平面上の任意の点を\(O\)として、$$\frac{\overrightarrow{OP_2}+\overrightarrow{OP_3}+\overrightarrow{OP_4}}{3}$$となる。この重心と点\(P_1\)を結ぶ線分は、\(t\ (0<t<1)\)を実数として、$$(1-t)\overrightarrow{OP_1} + t\frac{\overrightarrow{OP_2}+\overrightarrow{OP_3}+\overrightarrow{OP_4}}{3}$$と表すことができる。ここで、各ベクトルの係数がすべて等しくなるような\(t\)が存在すれば、題意が成り立つ。そのような\(t\)は、\(\displaystyle 1-t = \frac{t}{3}\)と解いて、\(\displaystyle t = \frac{3}{4}\)となる。したがって、線分\(AA_1, BB_1, CC_1, DD_1\)はこの点を共有する。

\((2)\) 上の過程から、点\(P\)は各線分を\(\underline{1:3}\)に内分する。

解説

京大のべクトルの問題では特徴的な問題が何回も何回も繰り返し出題される。他の大学でもそうであるが、ある程度の基礎を高校3年生の夏の終わり頃までに固めてしまい、それ以降は受験を考えている大学の過去問を中心とした演習に入ると良い。特に単科の医学部など、見たことがないと解くことが難しい問題が出題されることもある。東大京大の問題は癖はあるも、他の大学を受けるものにとっても良い練習となるようなものだと思うが。

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