問題
原点\(O\)を中心とする単位円周上に相異なる点\(P_1, P_2, P_3, P_4\)があって$$\overrightarrow{OP_1}+\overrightarrow{OP_2} + \overrightarrow{OP_3} + \overrightarrow{OP_4} = \overrightarrow{0}$$となっている。このとき\(P_1, P_2, P_3, P_4\)はある長方形の頂点となることを示せ。
方針
中点の座標に注目する。
解答
単位円周上に\(P_1, P_2, P_3, P_4\)の順に並んでいるとしても一般性を失わない。このとき、与えられた条件から\(\displaystyle \frac{\overrightarrow{OP_1}+\overrightarrow{OP_2}}{2}+\frac{\overrightarrow{OP_3}+\overrightarrow{OP_4}}{2}=\overrightarrow{0}\)であるから、線分\(P_1P_2\)の中点を\(M\)、線分\(P_3P_4\)の中点を\(N\)としたとき、\(\overrightarrow{OM}+\overrightarrow{ON} = \overrightarrow{0}\)であるから、線分\(MN\)の中点は原点\(O\)である。さらに、\(P_1P_2\)と\(P_3P_4\)が平行であることも分かる。同様に、\(P_2P_3\)の中点を\(M^{\prime}\)、\(P_1P_4\)の中点を\(N^{\prime}\)とすると、\(\overrightarrow{OM^{\prime}+\overrightarrow{ON^{\prime}}} = \overrightarrow{0}\)であるから、線分\(M^{\prime}N^{\prime}\)の中点も原点\(O\)となる。さらに、\(P_2P_3\)と\(P_1P_4\)が平行であることも分かる。以上から、下の図のようになり、\(P_1P_2P_3P_4\)が長方形であることが分かる。
解説
ゴチャゴチャと式でやろうとするとなかなか混乱させられる。解答のように中点に着目すると比較的明快に解くことが出来る。しっかりとした答案を書こうとすると見かけの割にはそれほど簡単だとは言えない問題である。
関連問題
1970年京都大学理系数学問題3 空間とベクトル
1972年京都大学数学問題文理共通理系問題1文系問題1 ベクトルと論証
1972年京都大学数学文理共通問題文系問題3理系問題4 ベクトルと論証、平行四辺形
1973年京都大学理系数学問題3 ベクトルと一次独立、正三角形
1975年京都大学理系数学問題4 定円と三角形、ベクトル
1976年京都大学文理共通問題文系問題2理系問題2 平面上のベクトルと整数
1978年京都大学数学文理共通問題文系問題2理系問題2 ベクトルと数と式、相加平均、相乗平均
1981年京都大学理系数学問題2 空間ベクトルと一次独立
1983年京都大学文理共通問題文系問題4理系問題4 ベクトルと空間図形、体積
1984年京都大学理系数学問題4 内接円とベクトル
1985年京都大学文理共通数学問題文系問題1理系問題1 ベクトルと座標設定
1986年京都大学数学理系問題4 ベクトルと外接円、論証
1988年京都大学A日程文理共通問題文系問題2理系問題2 内分点とベクトル
1989年京都大学前期理系数学問題4 空間座標とベクトル
1991年京都大学後期理系数学問題3 空間座標とベクトル
1998年京都大学前期理系問題3 四面体、ベクトル
2004年京都大学前期文系数学問題3 角の二等分線とベクトル
2005年京都大学後期文理共通問題文系問題4理系問題4 空間ベクトルと一次独立
2008年京都大学前期理系乙数学問題3 ベクトルと一次独立
2022年京都大学理系数学問題4 空間ベクトル
コメント