問題
\(xyz\)空間内の正八面体の頂点\(P_1, P_2, \cdots, P_6\)とベクトル\(\overrightarrow{v}\)に対し、\(k\ne m\)のとき\(\overrightarrow{P_kP_m}\cdot \overrightarrow{v} \ne 0\)が成り立っているとする。このとき、\(k\)と異なるすべての\(m\)に対し$$\overrightarrow{P_kP_m}\cdot \overrightarrow{v} < 0$$が成り立つような 点\(P_k\)が存在することを示せ。
方針
背理法で示す。
解答
\(P_i\ \ (i = 1, 2, \cdots, 6)\)以外に原点をとって、\(O\)とする。\(k\ne m\)のとき\(\overrightarrow{P_kP_m}\cdot \overrightarrow{v} = (\overrightarrow{OP_m}-\overrightarrow{OP_k})\cdot \overrightarrow{v} \ne 0\)だから、\(\overrightarrow{OP_1}\cdot \overrightarrow{v}, \overrightarrow{OP_2}\cdot \overrightarrow{v}, \cdots, \overrightarrow{OP_6}\cdot \overrightarrow{v}\)の値はすべて異なる。一般性を失わずに$$\overrightarrow{OP_1}\cdot \overrightarrow{v} < \overrightarrow{OP_2}\cdot v < \cdots < \overrightarrow{OP_6}\cdot \overrightarrow{v}$$として良い。このとき、\(m\ne 6\)として、$$\begin{eqnarray}\overrightarrow{OP_m}\cdot \overrightarrow{v}-\overrightarrow{OP_6}\cdot \overrightarrow{v} & = & \overrightarrow{P_6P_m}\cdot \overrightarrow{v} \\ & < & 0\end{eqnarray}$$となる。よって、題意のような\(k\)として\(k = 6\)が取れる。
解説
文系では多少簡単だがほとんど同じ問題が出題された。文字がゴチャゴチャして難しく見えるが見かけ倒しである。大きさが全部異なることから大小関係が設定できることに気がつくと、説明にほとんど行数はいらない。
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