[math]2020東京医科歯科大学数学問題3

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問題

\(t\)を正の実数とし、\(xyz\)空間において、\(7\)つの点\(O(0, 0, 0), A(1, 0, 0), B(0, 1, 0), C(0, 0, 1), P(t, 1, 0), Q(0, t, 1), R(1, 0, t)\)をとる。このとき以下の各問いに答えよ。
\((1)\) \(t = 1\)のとき、四面体\(OPQR\)の体積を求めよ。
\((2)\) \(\triangle{PQR}, \triangle{APR}, \triangle{BQP}, \triangle{CRQ}\)および\(xy\)平面、\(yz\)平面、\(zx\)平面で囲まれる領域の体積を\(V_1\)とする。\(V_1\)を\(t\)を用いて表わせ。
\((3)\) \(O\)を中心とし、\(OP\)を半径とする球の体積を\(V_2\)とする。\(t\)を変化させるとき、\(\displaystyle \frac{V_1}{V_2}\)が最大となる\(t\)の値を求めよ。

方針

\((1)\) 一辺の長さが\(\sqrt{2}\)の正四面体になる。

\((2)\) いくつかの四面体に分割して考える。

\((3)\) おまけの計算問題になる。

解答

\((1)\) \(t = 1\)のとき、四面体\(OPQR\)は以下のような一辺の長さが\(\sqrt{2}\)の正四面体になる。その体積は\(\displaystyle \frac{1}{3}\frac{\sqrt{3}}{4}\cdot(\sqrt{2})^2\cdot \sqrt{2-\frac{6}{9}} = \underline{\frac{1}{3}}\)となる。

\(t = 1\)のとき\(OPQR\)は一辺が\(\sqrt{2}\)の正四面体になる。

\((2)\) 四面体\(OPQR\)の体積は、下の図から\(\displaystyle \frac{1}{3}\cdot \frac{\sqrt{3}}{4}\cdot 2(t^2-t+1)\cdot \sqrt{(t^2+1)-\frac{6}{9}(t^2-t+1)} = \frac{1}{6}(t^2-t+1)(t+1) = \frac{1}{6}(t^3+1)\)である。

立体の概形図。
\((1)\)とやっていることは変わらない。

四面体\(OAPR, OBQP, OCRQ\)の体積は、次の図から求める。

\(OAPR\)の体積。

三角形\(OAP\)の面積は\(\displaystyle \frac{1}{2}\sqrt{|\overrightarrow{OA}|^2|\overrightarrow{OP}|^2-(\overrightarrow{OA}\cdot \overrightarrow{OP})^2} = \frac{1}{2}\sqrt{(t^2+1)-t^2} = \frac{1}{2}\)であるから、四面体\(OAPR\)の体積は\(\displaystyle \frac{1}{3}\cdot \frac{1}{2}\cdot t = \frac{t}{6}\)である。四面体\(OBQP, OCRQ\)の体積も同様に\(\displaystyle \frac{t}{6}\)となるので、求める体積は\(\displaystyle V_1 = \frac{1}{6}(t^3+1)+\frac{t}{2} = \underline{\frac{t^3+3t+1}{6}}\)となる。

\((3)\) \(\displaystyle V_2 = \frac{4}{3}\pi|\overrightarrow{OP}|^3 = \frac{4}{3}\pi(t^2+1)^{\frac{3}{2}}\)となる。したがって、\(\displaystyle \frac{V_1}{V_2} = \frac{1}{8\pi}\cdot \frac{t^3+3t+1}{(t^2+1)^{\frac{3}{2}}}\)となる。\(\displaystyle f(t) = \frac{t^3+3t+1}{(t^2+1)^{\frac{3}{2}}}\)とする。$$\begin{eqnarray}f^{\prime}(t) & = & \frac{(3t^2+3)(t^2+1)^{\frac{3}{2}}-(t^3+3t+1)\cdot \frac{3}{2}(t^2+1)^{\frac{1}{2}}\cdot 2t}{(t^2+1)^3}\\ & = & 3\cdot \frac{(t^2+1)^2-t(t^3+3t+1)}{(t^2+1)^{\frac{5}{2}}}\\ & = & \frac{-3(t^2+t-1)}{(t^2+1)^{\frac{5}{2}}}\end{eqnarray}$$となる。したがって、\(\displaystyle \underline{t = \frac{-1+\sqrt{5}}{2}}\)のときに\(\displaystyle \frac{V_1}{V_2}\)は最大値をとる。

解説

\((1)\) 一般に一辺の長さが\(a\)の正四面体の体積は\(\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{12}a^2\)で与えられる。それを暗記してもよいのだが、応用が効かない。\((2)\)でも正四面体でない場合の四面体の体積を求める必要があり、垂線を引いて、それが底面の正三角形の重心に一致することを用いて計算するのが良いだろう。

\((2)\) 空間の問題だが、設定はシンプルで、複雑な図形的考察は要しない。\(\triangle{OAP}\)の面積は解答では大げさに計算しているが、図を書けば\(\displaystyle \frac{1}{2}\)であることはすぐに分かる。

\((3)\) どのように計算しても良い。分数関数の微分については、対数をとって考えるのも良いだろう。

関連問題

1991年前期東京医科歯科大学数学問題2 空間図形と方程式
2006年度前期東京医科歯科大学数学問題2 四面体、空間座標、体積
2007年東京医科歯科大学前期数学問題1 立体図形と表面積
2010年東京医科歯科大学前期数学問題2 空間図形と体積
2012年東京医科歯科大学前期数学問題2 空間図形と求積、断面図

関連リンク

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