[math][東京医科歯科大学][空間図形]2008年東京医科歯科大学数学問題1

syringe floating near person s hand math
Photo by Daniel Frank on Pexels.com

問題

座標空間内に\(5\)点$$P(0, 0, h), Q(t, 0, 0), R(0, t, 0), S(-t, 0, 0), T(0, -t, 0)$$をとる。ここで\(t, h\)は\(0<t<1, h > 0\)を満たす実数である。また点\(A(1, 1, 0)\)と点\(Q\)を結ぶ線分の長さは\(PQ\)の長さと等しいとする。このとき以下の各問いに答えよ。
\((1)\) 四角錐\(PQRST\)の表面積を\(t\)を用いて表わせ。
\((2)\) \(h\)を\(t\)を用いて表わせ。
\((3)\) \(t\)が\(0<t<1\)の範囲で変化するとき、四角錐\(PQRST\)の体積の最大値を求めよ。

方針

比較的簡単な立体図形の問題である。概形も把握しやすい。

解答

\((1)\) 四角形\(QRST\)は正方形で、その面積は\((\sqrt{2}t)^2 = 2t^2\)である。側面の三角形の高さを\(x\)とすると、下図から\(\displaystyle PQ = \sqrt{t^2+h^2}, QH = \frac{\sqrt{2}}{2}t\)であるから、$$\begin{eqnarray}x & = & \sqrt{(t^2+h^2)-\left(\frac{\sqrt{2}}{2}t\right)^2}\\ & = & \sqrt{\frac{t^2}{2}+h^2}\end{eqnarray}$$である。

立体の概略図。

求める表面積は、$$\begin{eqnarray}2t^2+4\times \frac{1}{2}\times \sqrt{2}t\times \sqrt{\frac{t^2}{2}+h^2} & = & 2t^2+2t\sqrt{t^2+2h^2}\end{eqnarray}$$となる。与えられた条件から\(AQ = PQ\)となるので、$$\begin{eqnarray}\sqrt{(1-t)^2+1} & = & \sqrt{t^2+h^2}\\ t^2-2t+1+1 & = & t^2+h^2\\ -2t+2 & = & h^2\end{eqnarray}$$となるから、\(0<t<1\)に注意して、上の表面積の式に代入すると、$$\begin{eqnarray}2t^2+2t\sqrt{t^2+2h^2} & = & 2t^2+2t\sqrt{t^2-4t+4}\\ & = & 2t^2+2t|t-2|\\ & = & 2t^2+2t(2-t)\\ & = & 4t\end{eqnarray}$$である。よって、四角錐\(PQRST\)の表面積は\(\underline{4t}\)である。

\((2)\) \(h > 0\)であるから、\((1)\)の過程から\(\underline{h = \sqrt{-2t+2}}\)となる。

\((3)\) 四角錐\(PQRST\)の体積を\(V(t)\)とすると、$$\begin{eqnarray}V(t) & = & 2t^2\times h\times \frac{1}{3}\\ & = & \frac{2}{3}t^2\sqrt{-2t+2}\\ & = & \frac{2\sqrt{2}}{3}\sqrt{-t^5+t^4}\end{eqnarray}$$となる。\(f(t) = -t^5+t^4\ (0 < t < 1)\)とすると、\(f^{\prime}(t) = t^3(-5t+4)\)となる。したがって、\(\displaystyle t < \frac{4}{5}\)で\(f^{\prime}(t) > 0\)、\(\displaystyle t > \frac{4}{5}\)で\(f^{\prime}(t) < 0\)であるから、\(\displaystyle t = \frac{4}{5}\)において\(f(t)\)は最大値をとる。その値は、\(\displaystyle \frac{2\sqrt{2}}{3}\left(\frac{4}{5}\right)^2\sqrt{-\frac{4}{5}+1} = \underline{\frac{32\sqrt{10}}{375}}\)となる。

解説

2007年度に引き続き表面積の計算になる。\((3)\)の\(t^2\sqrt{-t+1}\)はそのまま微分しても良いが、ルートの中に入れてしまったほうが計算は楽になる。

関連問題

2007年東京医科歯科大学前期数学問題1 立体図形と表面積

関連リンク

国立大学法人 東京医科歯科大学

コメント

タイトルとURLをコピーしました