[math][東京医科歯科大学][数列][微分]1995年東京医科歯科大学数学問題2

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問題

多項式の列f0(x),f1(x),,fn(x),を次のように定める。f0(x)=1,fn(x)=x(fn1(x)+ddxfn1(x))  (n1)またfn(x)xiの係数をa(n,i)とおく(i=0,1,)
(1) f1(x),f2(x),f3(x),f4(x)を求めよ。
(2) a(n,i)a(n1,i1)a(n1,i)を用いて表わせ(1in)
(3) a(n,n1)nを用いて表わせ(n1)
(4) a(n,n2)nを用いて表わせ(n2)

方針

まずは計算してみる。

解答

(1) 与えられた漸化式から、x=x(1+0)=xf2(x)=x(x+1)=x2+xf3(x)=x(x2+x+2x+1)=x3+3x2+xf4(x)=x(x3+3x2+x+3x2+6x+1)=x4+6x3+7x2+xとなる。

(2) 最初にfn(x)n次式で、定数項が0であることを示す。定数項が0であることは、fn(x)=x()の形から明らか。f0(x)0次式で、fn(x)n次式であることを仮定すると、fn+1(x)=x(n)次式+(n1)次式=n+1次式となるから、帰納的にfn(x)n次式であることが言える。したがって、i=1na(n,i)xi  (n0)と置ける。これと、n1のときfn(x)=x(fn1(x)+ddxfn1(x))=i=1n1a(n1,i)xi+1+i=1n1ia(n1,i)xi=i=1n(a(n1,i1)+ia(n1,i))xiであることから、a(n,i)=a(n1,i1)+ia(n1,i)  (1in)であることがわかる。ただし、a(n1,0)=0であることや、a(n1,n)などといった意味のなさないものは0としていることに注意する。

(3) (2)の帰納法と同じようにして、a(n,n)=1であることがわかる。(2)の結果でi=n1として、a(n,n1)=a(n1,n2)+(n1)a(n1,n1)=a(n1,n2)+(n1)  (n2)である。a(n,n1)=bnとすると、bn=bn1+n1,b1=a(1,0)=0  (n2)である。これから、bn=k=2n(k1)+b1=k=1n1k+0=n(n1)2  (n2)である。a(1,0)=0であるからこの式はn=1でも成り立つ。

(4) (2)の結果でi=n2として、a(n,n2)=a(n1,n3)+(n2)a(n1,n2)=a(n1,n3)+(n2)(n1)(n2)2=a(n1,n3)+(n1)(n2)22  (n3)である。cn=a(n,n2)と置くと、cn=cn1+(n1)(n2)22,c2=a(2,0)=0  (n3)である。これから、cn=k=3n(k1)(k2)22+c2=12k=2n1k(k1)2=12k=1n1((k1)+1)(k1)2=12k=1n1(k1)3+12k=1n1(k1)2=12k=1n2k3+12k=1n2k2=12((n2)(n1)2)2+12(n2)(n1)(2n3)6=(n2)(n1)24(3(n2)(n1)+2(2n3))=n(n1)(n2)(3n5)24  (n3)となる。a(2,0)=0であるから、この式はn=2でも成り立つ。

解説

(1) 問題の様子を確認してください、という問題。ここで間違えると後で響くので、多少時間をかけても慎重に計算すると良い。

(2) やっていることは難しくはないが。細かい部分の話は省略しても減点にはならないだろうが、シグマ記号を使わず紙にバーっと書いてしまって係数を比較したほうが楽かもしれない。

(3) a(n,n)=1に気がつく必要がある。(1) がキチンと解けていればすぐに気がつく。bnbn1の関係式を出した後の処理も問題ないだろう。

(4) これも(3)とやることは同じである。メインはcn=cn1+(n1)(n2)22,c2=0  (n3)の処理の部分になる。いきなり展開してバラバラにせずに、固まりで捉えられる部分は固まりのまま計算する。高レベルの受験生の集まる大学ではこういった処理をきちんと行って最後まで正しく計算が進められるかどうかで得点に差が出てくる。展開してからシグマ計算しようとした受験生は、心に留めておくと良い。

関連問題

1987年東京医科歯科大学数学問題1 数列と積分、極限
1990年東京医科歯科大学数学問題2 多項式と数列
2005年前期東京医科歯科大学数学問題1 数列、特性方程式

関連リンク

Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学

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