[math][東京医科歯科大学][場合の数]1993年東京医科歯科大学数学問題2

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問題

数字\(1, 2\)を用いてできる\(4\)桁の自然数全体の集合を\(X\)とし、数字\(1, 2, 4\)を用いてできる\(4\)桁の自然数全体の集合を\(Y\)とする。また\(3\)の倍数全体の集合を\(Z\)とする。\(X\)の要素\(x_1\)と\(x_2\)に対し、\(x_1\)と\(x_2\)の各桁ごとの積をとってできる\(Y\)の要素を\(x_1 ^\circ x_2\)と表すことにする。(例:\(1122^\circ 1221 = 1242\))
\((1)\) \(X \cap Z\)の要素をすべて求めよ。
\((2)\) \(Y \cup Z\)の要素をすべて求めよ。
\((3)\) \(1122^\circ x \in Z\)となるような\(X\)の要素\(x\)をすべて求めよ。
\((4)\) \(X\)の部分集合\(A\)で次の条件\((a), (b), (c)\)を同時に満たすものを\(1\)つ求めよ。
\(\ \ (a)\) \(A\)の要素の個数は\(4\)
\(\ \ (b)\) \(1111\in A\)
\(\ \ (c)\) \(x\in A, x_2\in A, x_1\ne x_2\)ならば\(x_1 ^\circ x_2 \in Z\)
\((5)\) 上の条件\((a), (b), (c)\)を同時に満たし、さらに\(1122\in A\)を満たす\(X\)の部分集合\(A\)をすべて求めよ。

方針

集合の要素の積の問題になるが、難しくはない。どの小問もすべて数え上げようとしても大した手間はかkらない。試験場でも最後まで解き切った受験生も多かっただろう。

解答

\((1)\) \(X\)の要素が\(3\)の倍数のとき、\(1\)の個数は\(2\)個、\(2\)の個数も\(2\)個である。したがって、\(X \cap Z\)の要素は\(\underline{1122, 1212, 2112, 1221, 2121, 2211}\)の\(6\)個になる。

\((2)\) \(1\)の個数によって場合分けすると数えやすい。
\(1\)の個数が\(4\)個のとき、そのような\(Y\)の要素\(1111\)は\(3\)の倍数にならない。
\(1\)の個数が\(3\)個のとき、そのような\(Y\)の個数は\(3\)の倍数にはならない。
\(1\)の個数が\(2\)個のとき、\(3\)の倍数となる\(Y\)の要素は\(2\)が\(2\)個でなければならない。よって、\(Y \cap Z\)の要素は\(1122, 1212, 1221, 2211, 2121, 2112\)の\(6\)個である。
\(1\)の倍数が\(1\)個のとき、\(3\)の倍数となる\(Y\)の要素は\(2\)が\(2\)個、\(4\)が\(1\)個なければならない。よって、\(Y \cap Z\)の要素は\(2214, 2241, 2124, 2421, 2142, 2412, 1224, 4221, 1242, 4212, 1422, 4122\)の\(12\)個である。
\(1\)の倍数が\(0\)個のとき、\(3\)の倍数となる\(Y\)の要素は\(2\)が\(2\)個、\(4\)が\(2\)個なければならない。よって、\(Y \cap Z\)の要素は\(2244, 2424, 2442, 4224, 4242, 4422\)の\(6\)個ある。

以上から、\(Y\cap Z\)となる要素の個数は\(\underline{24}\)個である。

\((3)\) \((2)\)の答えのうち、どの桁の数字も\(1122\)より小さくないものは、\(1122, 2124, 2142, 1224, 1242, 1422, 4122, 2244, 2424, 2442, 4224, 4242, 4422\)の\(13\)個である。これらが\(1122^\circ x\)となるので、\(x = 1111, 2112, 2121, 1212, 1221, 1411, 4111, 2222, 2412, 2421, 4212, 4221, 4411\)であるが、\(4\)の含まれる数は不適なので、求める要素は\(\underline{1111, 2112, 2121, 1212, 1221, 2222}\)である。

\((4)\) \(1111^\circ x\)であるから、条件\((b), (c)\)と\((1)\)から\(1111\)以外の要素は\(1122, 1212, 2112, 1221, 2121, 2211\)のうちの\(3\)つである。条件\((c)\)を満たすような\(3\)組みを選ぶと、\(\underline{A = \{1111, 1122, 1212, 2112\}}\)が一つの例である。

\((5)\) \(1122^\circ x \in Z\)となるのは、\(1212, 2112, 1221, 2121, 2211\)のうち\(1212, 2112, 1221, 2121\)である。この\(4\)つの要素の中で、積が\(Z\)に含まれないペアは\(1212\)と\(2121\)、および\(1221\)と\(2112\)の\(2\)ペアである。求める答えは\(\underline{A = \{1111, 1122, 1212, 1221\}, \{1111, 1122, 1212, 2112\}, \{1111, 1122, 1221, 2121\}, \{1111, 1122, 2112, 2121\}}\)である。

解説

\((1)\) 十分に注意深く解く。問題の意味に慣れろ、という設問。

\((2)\) 解答では列挙しているが、そうしなくても個数はわかる。色々な解き方があると思うが、\(1\)の個数で場合分けするのが簡単。

\((3)\) \(1122\)と掛け合わせるので、どの桁の数字も\(1122\)よりも小さくはならない。\((2)\)を利用して数え上げるのが楽になる。

\((4)\) どうせ\((5)\)ですべて求めるので、これは適当に済ませてしまいたい。

\((5)\) 互いの積が\(Z\)に含まれないペアを考えるのが楽になる。大した個数ではないので全部あげてしまってもよい。

関連問題

1987年東京医科歯科大学数学問題2 場合の数と置き換え
2001年東京医科歯科大学前期数学問題3 場合の数、誘導の利用
2004年東京医科歯科大学数学問題2 場合の数と互換、代数学の基礎

関連リンク

国立大学法人 東京医科歯科大学

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