[math][東京医科歯科大学][微分]1992年東京医科歯科大学数学問題2

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問題

\(xy\)平面上で曲線\(y = be^{ax}\)と直線\(y = bx+a\)とが接しているとき、次の問いに答えよ。ただし、\(ab\ne 0\)とする。
\((1)\) \(b\)を\(a\)の関数として表わせ。
\((2)\) \(b\)の極小値を求めよ。
\((3)\) \((1)\)の関数のグラフの概形をかけ。

方針

教科書レベルの微分の問題である。難しいところは特にない。

解答

\((1)\) \(y = be^{ax}, y = bx + a\)に対して、それぞれ\(y^{\prime} = bae^{ax}, y^{\prime} = b\)であるから、接点の\(x\)座標を\(t\)とすると、$$\begin{cases}be^{at} = bt + a\\ bae^{at} = b\end{cases}$$である。\(ab\ne 0\)に注意して、下の式から\(\displaystyle e^{at} = \frac{1}{a}\)である。式をみると、\(a > 0\)であることもわかった。これを上の式に代入して、$$\begin{eqnarray}b\cdot \frac{1}{a} & = & bt+a\\ bt & = & \frac{b-a^2}{a}\\ t & = & \frac{b-a^2}{ab}\end{eqnarray}$$となる。さて、\(\displaystyle e^{at} = \frac{1}{a}\)の両辺の対数を取ると、$$at = -\log{a}$$であるから、\(\displaystyle t = \frac{b-a^2}{ab}\)を代入して、\(\displaystyle \frac{b-a^2}{b} = -\log{a}\)となる。整理して、\(\displaystyle \underline{b = \frac{a^2}{1+\log{a}}}\ \ \left(a \ne \frac{1}{e}\right)\)が求める答えである。

\((2)\) \((1)\)から$$\begin{eqnarray}\frac{db}{da} & = & \frac{2a(1+\log{a}-a^2\cdot \frac{1}{a})}{(1+\log{a})^2}\\ & = & \frac{2a+2a\log{a}-a}{(1+\log{a})^2}\\ & = & \frac{a(1+2\log{a})}{(1+\log{a})^2}\end{eqnarray}$$である。したがって、\(a ( > 0)\)の関数\(b\)に対して、\(\displaystyle \frac{db}{da}\)は\(\displaystyle 0 < a < \frac{1}{\sqrt{e}}\)において負であり、\(\displaystyle a = \frac{1}{\sqrt{e}}\)において\(\displaystyle 0\)であり、\(\displaystyle a > \frac{1}{\sqrt{e}}\)において正である。よって、\(b\)の極小値は\(\displaystyle a = \frac{1}{\sqrt{e}}\)のとき、\(\displaystyle \frac{\frac{1}{e}}{1+\log{\frac{1}{\sqrt{e}}}} = \underline{\frac{2}{e}}\)である。

\((3)\) \(\displaystyle \lim_{a\to 0}{b} = 0, \lim_{a\to \frac{1}{e}-}{b} = -\infty, \lim_{a\to \frac{1}{e}+}{b} = \infty, \lim_{a\to \infty}{b} = 0 \)に注意すると、グラフの概形は下の図のようになる。

\(ab\)平面でのグラフの概形図。

解説

\((1)\) \(xy\)平面上の微分可能な曲線\(y = f(x), y = g(x)\)が\(x = a\)で接する条件は$$\begin{cases}f(a) = g(a) \\ f^{\prime}(a) = g^{\prime}(a)\end{cases}$$が成り立つことである。この式を計算する途中で、\(a > 0\)に言及しておく。また、\(\displaystyle a\ne \frac{1}{e}\)にも留意する。

\((2)\) 極小値を求めるだけの問題である。

\((3)\) \(\displaystyle b = \frac{a^2}{1+\log{a}}\)なので、\(a\)が左から(小さい方から)\(\displaystyle \frac{1}{e}\)に近づくと\(1 + \log{a}\)はマイナスからどんどん\(0\)に近づく。すると、\(\displaystyle \frac{1}{1+\log{a}}\)はどんどんマイナス無限大に近づいていく。このように一つ一つ考え、グラフの様子を掴んでいく。

関連問題

1988東京医科歯科大学数学問題1 二次曲線と面積、微分
1993年東京医科歯科大学数学問題3 微分と極値
1994年東京医科歯科大学数学問題3 微分と曲線

関連リンク

国立大学法人 東京医科歯科大学

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