[math][東京医科歯科大学][空間座標]1989年東京医科歯科大学数学問題1

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問題

\(xyz\)空間に点\(\displaystyle A\left(-\frac{1}{3}, -\frac{14}{3}, -\frac{2}{3}\right)\)と球面\(S_0: x^2+y^2+z^2=1\)とがある。また曲面\(y^2 = x\)が\(xy\)平面と交わってできる曲線を\(C\)とする。
\((1)\) 点\(P\)が球面\(S_0\)上を動くとき、線分\(AP\)を\(4:3\)に外分する点\(Q\)のつくる曲面\(S\)の方程式を求めよ。
\((2)\) 点\(R\)が曲線\(C\)上を動き、点\(T\)が\((1)\)の曲面\(S\)上を動くとき、線分\(RT\)の長さの最小値を求めよ。

方針

空間座標の問題であるが、怖気づく必要はない。

解答

\((1)\) 与えられた条件から、\(\overrightarrow{AQ} = 4\overrightarrow{AP}\)である。原点を\(O\)としてこの式を変形すると、\(\overrightarrow{OQ}-\overrightarrow{OA} = 4(\overrightarrow{OP}-\overrightarrow{OA})\)となる。したがって、$$\begin{eqnarray}\overrightarrow{OQ} & = & \overrightarrow{OA} + 4(\overrightarrow{OP}-\overrightarrow{OA})\\ & = & 4\overrightarrow{OP}-3\overrightarrow{OA}\\ & = & 4\overrightarrow{OP}+(1, 14, 2)\end{eqnarray}$$である。これは中心が\((1, 14, 2)\)で半径が\(4\)の球である。よって求める\(S\)の方程式は\(\underline{(x-1)^2+(y-14)^2+(z-2)^2 = 16}\)となる。

\((2)\) 曲面\(S\)と曲線\(C\)の概形は以下の図のようになる。

\(S\)と\(C\)の位置関係。

\(RT\)の長さの最小値を求めるには、\((1)\)で求めた球の中心\((1, 14, 2)\)を点\(B\)として、\(RB\)の最小値を求めれば良い。点\(R(t^2, t, 0)\)とすると、$$\begin{eqnarray}RB^2 & = & (t^2-1)^2+(t-14)^2+2^2\\ & = & t^4-2t^2+1+t^2-28t+196+4\\ & = & t^4-t^2-28t+201\end{eqnarray}$$である。\(f(t) = t^4-t^2-28t+201\)とすると、$$\begin{eqnarray}f^{\prime}(t) & = & 4t^3-2t-28\\ & = & 2(t-2)(2t^2+4t+7)\\ & = & 4(t-2)\left((t+1)^2+\frac{5}{2}\right)\end{eqnarray}$$となる。したがって、\(t < 2\)で\(f^{\prime}(t)<0\)であり、\(t =2\)で\(f^{\prime}(t) = 0\)であり、かつ\(t > 2\)で\(f^{\prime}(t) > 0\)となる。なので、\(t = 2\)のときに\(f(t)\)は最小値をとり、$$\begin{eqnarray}f(2) & = & 2^4-2^2-28\cdot 2+201\\ & = & 157\end{eqnarray}$$となるから、\((1)\)で求めた球の半径が\(4\)であることを考慮して、求める\(RT\)の長さの最小値は\(\underline{\sqrt{157}-4}\)となる。

解説

\((1)\) 「内分」ではなく「外分」であることに注意する。下手に難しく考える必要はない。点\(P\)が半径\(1\)の球を描き、点\(A\)は定点なので、\(4\overrightarrow{OP}-3\overrightarrow{OA}\)がどんな図形なのかはすぐに分かる。

\((2)\) 球面\(S\)上を動く点を考えると収拾がつかなくなる。\((1)\)の球の中心を主役にすると変数が\(1\)つなので楽になる。最後に\(\sqrt{157}\)から球の半径を引いておくのを忘れないようにする。

関連問題

1991年前期東京医科歯科大学数学問題2 空間図形と方程式
1994年東京医科歯科大学数学問題2 座標平面、座標空間と法線
2006年東京大学後期数学問題2 空間座標と積分、形状が容易には分からない場合

関連リンク

国立大学法人 東京医科歯科大学

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