[math][東京工業大学][空間座標]2020年東京工業大学数学問題3

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問題

座標空間に\(5\)点$$O(0, 0, 0), A(3, 0, 0), B(0, 3, 0), C(0, 0, 4), P(0,0, -2)$$をとる。さらに\(0 < a < 3, 0 < b < 3\)に対して\(2\)点\(Q(a, 0, 0)\)と\(R(0, b, 0)\)を考える。
\((1)\) 点\(P, Q, R\)を通る平面を\(H\)とする。平面\(H\)と線分\(AC\)の交点\(T\)の座標、および平面\(H\)と線分\(BC\)の交点\(S\)の座標を求めよ。
\((2)\) 点\(Q, R, S, T\)が同一円周上にあるための必要十分条件を\(a, b\)を用いて表し、それらを満たす点\((a, b)\)の範囲を座標平面上に図示せよ。

方針

\((1)\) 一般に、座標平面上で\(2\)点\((p, 0), (0, q)\)を通る直線は\(\displaystyle \frac{x}{p}+\frac{y}{q} = 1\)で表すことができる。同様に、座標空間上で\(3\)点\((p, 0, 0), (0, q, 0), (0, 0, r)\)を通る平面は\(\displaystyle \frac{x}{p}+\frac{y}{q}+\frac{z}{r} = 1\)と表すことができる。

\((2)\) 点\(P\)を利用して、方べきの定理の逆を考えると良い。

解答

\((1)\) \(H\)の方程式は\(\displaystyle \frac{x}{a}+\frac{y}{b}-\frac{z}{2} = 1\)である。線分\(AC\)の方程式は\(\displaystyle \frac{x}{3}+\frac{z}{4} = 1, y = 0\)であるから、連立させると、$$\begin{cases}\displaystyle \frac{x}{a}-\frac{z}{2} = 1\\ \displaystyle \frac{x}{3}+\frac{z}{4} = 1\end{cases}$$となる。これを解くと、\(\displaystyle x = \frac{9a}{2a+3}, z = \frac{4(3-a)}{2a+3}\)となるから、\(T\)の座標は\(\displaystyle \underline{T = \frac{1}{2a+3}\left(9a, 0, 4(3-a)\right)}\)となる。同様に、線分\(BC\)の方程式は\(\displaystyle \frac{y}{3}+\frac{z}{4} = 1, x = 0\)であるから、連立させると、$$\begin{cases}\displaystyle \frac{y}{b}-\frac{z}{2} = 1\\ \displaystyle \frac{y}{3}+\frac{z}{4} = 1\end{cases}$$となる。これを解くと、\(\displaystyle y = \frac{9b}{2b+3}, z = \frac{4(3-b)}{2b+3}\)となるから、\(S\)の座標は\(\displaystyle \underline{S = \frac{1}{2b+3}\left(0, 9b, 4(3-b)\right)}\)となる。

\(A, B, C, P, Q, R\)の配置。

\((2)\) 直線\(TQ\)と直線\(SR\)は点\(P\)で交わるので、方べきの定理の逆から、\(PQ\cdot PT = PR\cdot PS\)であれば\(4\)点\(Q, R, T, S\)は同一円周上にある。

方べきの定理。

$$\begin{eqnarray}PQ & = & \sqrt{a^2+4}\\ PT & = & \sqrt{\left(\frac{9a}{2a+3}\right)^2+\left(\frac{4(3-a)}{2a+3}-(-2)\right)^2}\\ & = & \frac{1}{2a+3}\sqrt{(9a)^2+(4(3-a)+2(2a+3))^2}\\ & = & \frac{1}{2a+1}\sqrt{(9a)^2+(18)^2}\\ & = & \frac{9}{2a+3}\sqrt{a^2+4}\end{eqnarray}$$である。同様に計算して、$$\begin{eqnarray}PR & = & \sqrt{b^2+4}\\ PS & = & \frac{9}{2b+3}\sqrt{b^2+4}\end{eqnarray}$$となるので、条件に当てはめると、$$\begin{eqnarray}PQ\cdot PT & = & PR\cdot PS\\ \iff \sqrt{a^2+4}\cdot \frac{9}{2a+3}\sqrt{a^2+4} & = & \sqrt{b^2+4}\cdot \frac{9}{2b+3}\sqrt{b^2+4}\\ \iff (a^2+4)(2b+3) & = & (b^2+4)(2a+3)\\ \iff (a-b)(2ab+3a+3b-8) & = & 0\end{eqnarray}$$である。したがって、求める条件は\(\underline{a = b}\)または\(\underline{2ab+3a+3b-8 = 0}\)で、これを図示すると下の図のようになる。

\((3)\)の解答図。

解説

\((1)\) 平面座標上で\(2\)切片を通る直線や、空間座標上で\(3\)切片を通る平面の方程式は、方針で述べた覚え方をしておくと便利である。

\((2)\) \(2\)直線\(QT\)と\(RS\)が点\(P\)で交わることを用いて、方べきの定理を用いる。これに気が付かないと、余弦定理などを用いることになるが、計算が面倒である。

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