[math][東京工業大学][積分]2019年東京工業大学数学問題2

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問題

次の等式が\(1\leq x\leq 2\)で成り立つような関数\(f(x)\)と定数\(A, B\)を求めよ。$$\int_{\frac{1}{x}}^{\frac{2}{x}}{|\log{y}|f(xy)dy} = 3x(\log{x}-1)+A+\frac{B}{x}$$ただし、\(f(x)\)は\(1\leq x\leq 2\)に対して定義される連続関数とする。

方針

このままでは積分できないので、置き換える。

解答

\(xy = t\)とすると、$$\begin{eqnarray}\int_{\frac{1}{x}}^{\frac{2}{x}}{|\log{y}|f(xy)dy} & = & \int_{1}^{2}{\left|\log{\frac{t}{x}}\right|f(t)\frac{dt}{x}}\\ & = & \frac{1}{x}\left(\int_{1}^{x}{-\left(\log{\frac{t}{x}}\right)f(t)dt}+\int_{x}^{2}{\left(\log{\frac{t}{x}}\right)f(t)dt}\right)\\ & = & \frac{1}{x}\left(-\int_{1}^{x}{(\log{t})f(t)dt}+\log{x}\int_{1}^{x}{f(t)dt}+\int_{x}^{2}{(\log{t})f(t)dt}-\log{x}\int_{x}^{2}{f(t)dt}\right)\\ & = & \frac{1}{x}\left(-\int_{1}^{x}{(\log{t})f(t)dt}+\log{x}\int_{1}^{x}{f(t)dt}-\int_{2}^{x}{(\log{t})f(t)dt}+\log{x}\int_{2}^{x}{f(t)dt}\right)\end{eqnarray}$$となる。したがって、与えられた問題は$$\begin{eqnarray}-\int_{1}^{x}{(\log{t})f(t)dt}+\log{x}\int_{1}^{x}{f(t)dt}-\int_{2}^{x}{(\log{t})f(t)dt}+\log{x}\int_{2}^{x}{f(t)dt} \\ = 3x^2(\log{x}-1)+Ax+B\end{eqnarray} \tag{a}\label{a}$$が成り立つような\(f(x), A, B\)を求めることと同値である。\eqref{a}を\(x\)で微分して、$$-2(\log{x})f(x)+\frac{1}{x}\left(\int_{1}^{x}{f(t)dt}+\int_{2}^{x}{f(t)dt}\right)+\log{x}(f(x)+f(x))\\ 6x(\log{x}-1)+3x^2\cdot \frac{1}{x}+A$$となる。整理すると、$$\begin{eqnarray}\int_{1}^{x}{f(t)dt}+\int_{2}^{x}{f(t)dt} & = & 6x^2(\log{x}-1)+3x^2+Ax \\ & = & 3x^2(2\log{x}-1)+ Ax\tag{b}\label{b}\end{eqnarray}$$となる。\eqref{b}で\(x = 1, 2\)として、$$\begin{cases}\displaystyle \int_{2}^{1}{f(t)dt} & = & -3+A \tag{c}\label{c}\\ \displaystyle \int_{1}^{2}{f(t)dt} & = & 12(2\log{2}-1)+2A\end{cases}$$である。両辺をそれぞれ足すと、$$0 = 24\log{2}-15+3A$$となる。よって、\(\underline{A = 5-8\log{2}}\)である。\eqref{b}を\(x\)で微分して、$$2f(x) = 6x(2\log{x}-1)+3x^2\cdot \frac{2}{x}+A$$である。よって、\(\displaystyle \underline{f(x) = 6x\log{x}+\frac{5}{2}-4\log{2}}\)である。次に、\eqref{a}で\(x = 1, 2\)として、$$\begin{cases}\displaystyle -\int_{2}^{1}{(\log{t})f(t)dt} & = & -3+A+B\\ \displaystyle -\int_{1}^{2}{(\log{t})f(f)dt}+\log{2}\int_{1}^{2}{f(t)dt} & = & 12(\log{2}-1)+2A+B\end{cases}$$である。両辺をそれぞれ足して、$$\log{2}\int_{1}^{2}{f(t)dt} = -3+A+B+12(\log{2}-1)+2A+B$$である。\eqref{c}から$$-\int_{1}^{2}{f(t)dt} = -3+A$$であるから、$$\begin{eqnarray}\log{2}(3-A) & = & 12(\log{2}-1)+3A+2B-3\\ \iff B & = & \frac{15}{2}-\frac{9}{2}\log{2}-\frac{3}{2}A-\frac{A}{2}\log{2}\\ & = & \underline{\log{2}(4\log{2}+5)}\end{eqnarray}$$となる。

解説

単なる計算問題ではあるが、その計算が相当に厳しい。試験場できっちりミスなく最後まで解き切るのはなかなか難しいだろう。絶対値付き、場合分け、対数、適切な代入\(\cdots\)などポイントをあげればきりがない。学習価値の高い\(1\)問と言えよう。

関連問題

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関連リンク

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