[math][東京工業大学][複素平面]2019年東京工業大学数学問題3

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問題

\(i\)を虚数単位とする。実部と虚部が共に整数であるような複素数\(z\)により\(\displaystyle \frac{z}{3+2i}\)と表される複素数全体の集合を\(M\)とする。
\((1)\) 原点を中心とする半径\(r\)の円上またはその内部に含まれる\(M\)の要素の個数を\(N(r)\)とする。このとき、集合\(\{r| 10\leq N(r) < 25\}\)を求めよ。
\((2)\) 複素数平面の相異なる\(2\)点\(z, w\)を結ぶ線分を\(L(z, w)\)で表すとき、\(6\)つの線分\(\displaystyle L(0, 1), L\left(1, 1+\frac{i}{2}\right), L\left(1+\frac{i}{2}, \frac{1+i}{2}\right), L\left(\frac{1+i}{2}, \frac{1}{2}+i\right), L\left(\frac{1}{2}+i, i\right), L(i, 0)\)で囲まれる領域の内部または境界に含まれる\(M\)の要素の個数を求めよ。

方針

\((2)\) すべての点を\(3+2i \)倍して考えて、領域内の格子点の数を数えるのが簡単そうである。

解答

\((1)\) \(z = m+ni, (m, n\ \text{は整数})\)とすると、\(m^2+n^2\)が取りうる値と\(z\)の取りうる値、および\((m, n)\)の組が取りうる個数、累計個数は以下の表のようになる。

\(m^2+n^2\)\(|z|\)\((m, n)\)の組の個数累計個数
\(0\)\(0\)\(1\)\(1\)
\(1\)\(1\)\(4\)\(5\)
\(2\)\(\sqrt{2}\)\(4\)\(9\)
\(4\)\(2\)\(4\)\(13\)
\(5\)\(\sqrt{5}\)\(8\)\(21\)
\(8\)\(2\sqrt{2}\)\(4\)\(25\)
例えば\(m^2+n^2=5\)のとき、\((m, n) = (\pm 1, \pm 2), (\pm 2, \pm 1)\)(複合任意)となる。

\(|3+2i| = \sqrt{13}\)であるから、\(10\leq N(r) < 25\)となるのは、\(\displaystyle 2 \leq \sqrt{13}r < 2\sqrt{2}\)のときである。よって、\(\{r| 10 \leq N(r) < 25\}\)は\(\displaystyle \underline{\frac{2\sqrt{13}}{{13}} \leq r < \frac{2\sqrt{16}}{13}}\)となる。

\((2)\) 与えられた領域の全ての点を\(3+2i\)倍したものが下図のようになる。この領域の内部の格子点を数え上げると、\((0, 0), (0, 1), (1, 1), (-1, 2), (0, 2), (1, 2), (2, 2), (3, 2), (-2, 3), (-1, 3), (0, 3), (2, 3)\)の\(\underline{12}\)個となる。

きれいに頭を書いて格子点を数えると良い。

解説

上の解答の領域の格子点で、例えば\(1+2i\)を\(3+2i\)で割ると、\(\displaystyle \frac{5+4i}{13}\)となる。これは当然だが、問題で最初に提示された領域の内部にある。

関連問題

2000年京都大学後期理系数学問題3 \(ax + by = 1\)を満たす整数(格子点)の存在
2009年東京医科歯科大学前期数学問題1 格子点と座標平面、座標空間

関連リンク

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