[math][東京工業大学]2023年東京工業大学数学問題5

beach sand math
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問題

\(xyz\)空間の\(4\)点\(A(1, 0, 0), B(1, 1, 1), C(-1, 1, -1), D(-1, 0, 0)\)を考える。
\((1)\) \(2\)直線\(AB, BC\)から等距離にある点全体のなす図形を求めよ。
\((2)\) \(4\)直線\(AB, BC, CD, DA\)に共に接する球面の中心と半径の組をすべて求めよ。

方針

式で考えるようにする。

解答

\((1)\) 直線\(AB\)の方程式は\(x = 1, y = z\)であり、直線\(BC\)の方程式は\(y = 1, x = z\)である。点\((X, Y, Z)\)がこの\(2\)直線から等距離にあるとき、$$\left(\frac{|Y-Z|}{\sqrt{2}}\right)^2 + |X-1|^2 = \left(\frac{|X-Z|}{\sqrt{2}}\right)^2 + |Y-1|^2$$が成り立つ。変形して、$$\begin{eqnarray}Y^2-2YZ+Z^2 + 2(X^2-2X+1) & = & X^2-2XZ+Z^2+2(Y^2-2Y+1)\\ \iff X^2+2(Z-2)X-(Y^2+2(Z-2)Y) & = & 0\\ \iff X^2+2(Z-2)Y-Y(Y+2Z-4) & = & 0 \\ \iff (X-Y)(X+Y+2Z-4) & = & 0\end{eqnarray}$$となる。したがって、求める図形は\(\underline{x-y = 0, x+y+2z-4 = 0}\)となる。

\((2)\) 直線\(CD\)の方程式は\(x = -1, y = -z\)であり、直線\(DA\)は\(x\)軸である。求める円の中心を\((a, b, c)\)、半径を\(d (>0)\)とする。この円と直線\(AB, BC, CA, DA\)との距離は順に以下のようになる。$$\begin{eqnarray}r^2 & = & \left(\frac{b-c}{\sqrt{2}}\right)^2+(a-1)^2 \tag{1}\label{1}\\ & = & \left(\frac{a-c}{\sqrt{2}}\right)^2+(b-1)^2 \tag{2}\label{2}\\ & = & \left(\frac{b+c}{\sqrt{2}}\right)^2+(a+1)^2 \tag{3}\label{3}\\ & = & b^2+c^2 \tag{4}\label{4}\end{eqnarray}$$となる。\eqref{1}, \eqref{2}を連立させると、\((1)\)から\(a-b = 0\)または\(a+b+2c-4 = 0\)となる。\eqref{1}と\eqref{3}を連立させると、$$\begin{eqnarray}(b-c)^2+2(a-1)^2 & = & (b+c)^2+2(a+1)^2\\ \iff -2bc-4a & = & 2bc+4a\\ \iff 2a+bc & = & 0 \tag{5}\label{5}\end{eqnarray}$$となる。\eqref{1}と\eqref{4}を連立させると、$$\begin{eqnarray}(b-c)^2 + 2(a-1)^2 & = & 2(b^2+c^2)\\ \iff b^2-2bc+c^2+2(a-1)^2 & = & 2b^2+2c^2\\ \iff 2(a-1)^2 & = & b^2+2bc+c^2 \\ \iff 2(a-1)^2 & = & (b+c)^2 \tag{6}\label{6}\end{eqnarray}$$となる。
\(\ \ (i)\) \(a = b\)のとき、\eqref{5}に代入して、\(a(2+c) = 0\)となる。したがって、\(a = 0\)または\(c = -2\)となる。\(a = 0\)のとき、\(b = 0\)で、\eqref{6}から\(c = \pm \sqrt{2}\)となる。すると、\eqref{4}から\(d = \sqrt{2}\)となる。\(c = -2\)のとき、\eqref{6}から\(2(a-1)^2 = (a-2)^2\)となる。これから\(\displaystyle a = \pm\sqrt{2}\)となる。すると、\(b = a = \pm\sqrt{2}\)で、\eqref{4}から\(d = \sqrt{6}\)となる。
\(\ \ (ii)\) \(a+b+2c-4 = 0\)のとき、\eqref{5}を代入して、 $$-\frac{bc}{2} + b + 2c-4 = 0$$である。整理すると、\((b-4)(c-2) = 0\)となる。したがって、\(b = 4\)または\(c = 2\)となる。\(b = 4\)のとき、\eqref{5}から\(2a+4c = 0\)であり、\(a = -2c\)となるから、\eqref{6}に代入すると、$$\begin{eqnarray}2(-2c-1)^2 & = & (4+c)^2\end{eqnarray}$$である。これから\(c = \pm\sqrt{2}\)となる。すると、\(a = \mp2\sqrt{2}\)である。\eqref{4}から、\(d = 3\sqrt{2}\)となる。\(c = 2\)のとき、\eqref{5}から\(2a+2b = 0\)で、\(b = -a\)となる。\eqref{6}から$$2(a-1)^2 = (-a+2)^2$$である。これから\(a = \pm\sqrt{2}\)となる。したがって、\(b = \mp\sqrt{2}\)である。\eqref{4}から\(d = \sqrt{6}\)となる。

以上から、題意を満たす球面の中心と半径の組は、\(\underline{(0, 0, \pm\sqrt{2}, \sqrt{2}), (\pm\sqrt{2}, \pm\sqrt{2}, -2, \sqrt{6}), (\mp 2\sqrt{2}, 4, \pm\sqrt{2}, 3\sqrt{2}), (\pm\sqrt{2}, \mp\sqrt{2}, 2, \sqrt{6})}\)となる。ただし、複号同順とする。

解説

直線\(AB\)の方程式は簡単にわかる。この直線と点\((X, Y, Z)\)との距離であるが、まず次のように\(x = X\)で切った\(yz\)平面を考える。この平面上の直線\(y = z\)と、点\((X, Y, Z)\)との距離は点と距離の公式から\(\displaystyle \frac{|Y-Z|}{\sqrt{2}}\)である。さらに、この平面\(x = X\)と平面\(x = 1\)との距離が\(|X-1|\)であるから、点\((X, Y, Z)\)と直線\(x = 1, y = z\)との距離は\(\displaystyle \sqrt{\left(\frac{|Y-Z|}{\sqrt{2}}\right)^2+(x-1)^2}\)となる。他についても同様である。ややこしい考え方をしなければ、難しい問題ではない。

左は二次元、右は三次元であることに注意。

関連問題

1989年東京医科歯科大学数学問題1 球面と空間座標
2016年東京医科歯科大学数学問題2 空間座標と体積、立方体と球
2017年東京医科歯科大学数学問題2 空間の球体と射影
2018年東京医科歯科大学数学問題2 空間図形と球、必要条件、十分条件
2021年東京工業大学数学問題4 球と平面、空間座標と距離

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