問題
座標平面における領域で定まる図形を考える。に対して、原点を中心とする回転や平行移動を何回か行って得られる図形を個用意し、それぞれとする。このとき、により座標平面全体を覆うことのできるの最小値を求めよ。
方針
のときは、具体的にをそれぞれ回転したものを考えれば、座標平面全体を覆うことができる。問題は、のときである。
解答
と置く。を満たすに対して、と置く。が座標平面全体を覆うことができないのであれば、も座標平面全体を覆うことはできない。
具体的なとして、を考える。はでと接するので、以下の図のようにであることはすぐに分かる。
の隅は楔状態領域(wedge)であり、その開き角はであるから、未満である。これから、一つのがある一点を中心とした小円周を覆いうる最大の円弧の広がりは未満である。
任意の半径の円を考える。一つのが円周上で連続的に覆うことのできる最大弧は未満であるから、つあるいはつのを配置しても、カバーできる円周上の弧の合計は最大でも未満である。これは円周上に覆われない弧が残ることを示している。故に、どんな配置(回転・平行移動)を行っても、つあるいはつのでこの円を覆うことができない。円を覆うことができない以上、座標平面全体も覆うことができない。
また、をそれぞれ回転したものを考えれば、座標平面全体を覆うことができる。以上の議論から、座標平面全体を覆うことのできるの最小値はである。
解説
で上記のように覆えることはわかるので、で駄目な理由を説明する。解答ではを覆うという領域を考え、このをどのように動かしてものときは座標平面全体を覆うことができないことを示している。他にも色々な方法が考えられる問題と思われる。
関連問題
1983年東京大学理系数学第6問 斜回転体の体積
2022年東京大学理系前期数学問題5 軸回りの回転体の体積、立体の求積
関連リンク

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