問題
次の関数\(f(x)\)の最大値と最小値を求めよ。$$f(x) = e^{-x^2}+\frac{1}{4}x^2+1+\frac{1}{e^{-x^2}+\frac{1}{4}x^2+1}\ \ \ (-1\leq x\leq 1)$$ただし、\(e\)は自然対数の底であり、その値は\(e = 2.71\cdots\)である(\(35\)点)。
方針
\(x^2 = t\)とおく。
解答
\(x^2 = t\)とすると、\(0\leq t\leq 1\)である。すると、$$f(x) = e^{-t}+\frac{1}{4}t+1+\frac{1}{e^{-t}+\frac{1}{4}t+1}$$である。\(\displaystyle g(x) = e^{-t}+\frac{1}{4}t+1\)とする。このとき、$$\begin{eqnarray}g^{\prime}(t) & = & -e^{-t}+\frac{1}{4}\\ & = & \frac{-4+e^{t}}{4e^{t}}\end{eqnarray}$$となる。\(0\leq t\leq 1\)で\(-4+e^{t}\leq 0\)であるから、\(g(t)\)は減少関数である。したがって、\(\displaystyle g(1) = e^{-1}+\frac{5}{4}\leq g(t)\leq g(0) = 2\)となる。\(g(t)\)を変数と見て、\(g(t) = X, f(t) = F(X)\)とすると、\(\displaystyle e^{-1}+\frac{5}{4}\leq X\leq 2\)であり、$$\begin{eqnarray}F(X) & = & X + \frac{1}{X}\\ F^{\prime}(X) & = & 1-\frac{1}{X^2}\\ & = & \frac{X^2-1}{X^2}\\ & = & \frac{(X-1)(X+1)}{X^2}\end{eqnarray}$$となる。これは\(\displaystyle e^{-1}+\frac{5}{4}\leq X\leq 2\)で正であるから、\(F(X)\)は増加関数である。\(\displaystyle F\left(e^{-1}+\frac{5}{4}\right) = e^{-1}+\frac{5}{4}+\frac{1}{e^{-1}+\frac{5}{4}}, F(2) = \frac{5}{2}\)であるから、\(f(x)\)の最大値は\(\displaystyle \underline{\frac{5}{2}}\)は、最小値は\(\displaystyle \underline{e^{-1}+\frac{5}{4}+\frac{1}{e^{-1}+\frac{5}{4}}}\)となる。
解説
特に詰まるところもなさそうである。いきなり相加平均・相乗平均の関係を使って\(f(x) \geq 2\)としてはいけない(等号を満たす\(x\)が存在しない)。
関連問題
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2019年東京大学理系数学問題5 微分、極限
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