問題
複素数\(a, b, c\)に対して整式\(f(z) = az^2+bz+c\)を考える。\(i\)を虚数単位とする。
\((1)\) \(\alpha, \beta, \gamma\)を複素数とする。\(f(0) = \alpha, f(1) = \beta, f(i) = \gamma\)が成り立つとき、\(a, b, c\)をそれぞれ\(\alpha, \beta, \gamma\)で表わせ。
\((2)\) \(f(0), f(1), f(i)\)がいずれも\(1\)以上\(2\)以下の実数であるとき、\(f(2)\)の取りうる範囲を複素数平面上に図示せよ。
方針
一文字固定して考えると良い。
解答
\((1)\) 与えられた条件から、$$\begin{cases}f(0) = c = \alpha\\ f(1) = a+b+c = \beta\\ f(i) = -a+bi+c = \gamma\end{cases}$$となる。計算すると、\(\displaystyle a= \frac{\beta-\gamma}{2}+\frac{-2\alpha+\beta+\gamma}{2}i, b= \frac{-2\alpha+\beta+\gamma}{2}+\frac{2\alpha-\beta-\gamma}{2}i, c = \alpha\)となる。
\((2)\) \((1)\)から$$\begin{eqnarray}f(2) & = & 4a+2b+c\\ & = & 2(\beta-\gamma) +2(-2\alpha+\beta+\gamma)i \\ & & +(-2\alpha+\beta+\gamma)+(2\alpha-\beta-\gamma)i + \alpha\\ & = & (-\alpha+3\beta-\gamma) + (-2\alpha+\beta+\gamma)i\end{eqnarray}$$となる。\(x = -\alpha+3\beta-\gamma, y = -2\alpha+\beta+\gamma\)とする。このとき、$$\begin{eqnarray}\begin{pmatrix}x\\ y\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}-1\\ -2\end{pmatrix}\alpha + \begin{pmatrix}3\\ 1\end{pmatrix}\beta + \begin{pmatrix}-1\\ 1\end{pmatrix}\gamma\end{eqnarray}$$である。\(\gamma\)を無視して\(\alpha, \beta\)のみを考えると、\(1\leq \alpha\leq 2, 1\leq \beta \leq 2\)であるから、$$\begin{eqnarray}\begin{pmatrix}x\\ y\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}-1\\ -2\end{pmatrix}\alpha + \begin{pmatrix}3\\ 1\end{pmatrix}\beta\end{eqnarray}$$は下図の平行四辺形の範囲を動く。
ここに\(\begin{pmatrix}-1\\ 1\end{pmatrix}\gamma\)を追加して平行移動すると、\(f(2)\)の動く範囲は以下の図のようになる。ただし、境界を含む。
解説
ベクトルのように考えると楽になる。なお、2000年の東京医科歯科大学の問題に類題がある。
関連問題
1981年京都大学理系数学問題2 空間ベクトルと一次独立
1985年京都大学文理共通数学問題文系問題1理系問題1 ベクトルと座標設定
2000年東京医科歯科大学数学問題2 ベクトルと座標平面、解法の選択
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