[math]1998年東京大学前期数学問題1

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問題

\(a\)は\(0\)でない実数とする。関数$$f(x) = (3x^2-4)\left(x-a+\frac{1}{a}\right)$$の極大値と極小値の差が最小となる\(a\)を求めよ。

方針

そのまま代入して計算をしてもよいが(この問題ならそれでも\(30\)分もあれば解決する)、積分を用いる変形方法も是非頭に入れておきたい。

解答

\(\displaystyle{b = a-\frac{1}{a}}\)とおく。このとき、\(f(x) = (3x^2-4)(x-b)\)であり、\(f^{\prime}(x) = 9x^2-6bx-4\)となる。\(f^{\prime}(x) = 0\)の判別式を\(D\)とすると、$$\begin{eqnarray}\frac{D}{4} & = & 9(b^2+4) \\ & > & 0\end{eqnarray}$$となる。したがって\(f^{\prime}(x) = 0\)を満たす\(x\)は二つあって、\(\alpha, \beta\)とすると、\(f(\alpha)\)は極大値、\(f(\beta)\)は極小値になる。したがって、$$\begin{eqnarray}f(\alpha)-f(\beta) & = & \int_{\beta}^{\alpha}{f^{\prime}(x)dx} \\ & = & -9\int_{\beta}^{\alpha}{(x-\alpha)(x-\beta)dx} \\& = & \frac{9}{6}(\beta-\alpha)^3 \\ & = & \frac{3}{2}(\beta-\alpha)^3\end{eqnarray}$$となる。解と係数の関係から、$$\begin{cases}\alpha+\beta = \frac{2b}{3} \\ \alpha\beta = -\frac{4}{9}\end{cases}$$となるから、$$\begin{eqnarray}\beta-\alpha = & \sqrt{{(\alpha+\beta)}^2-4\alpha\beta} \\ & = & \frac{2}{3}\sqrt{b^2+16}\end{eqnarray}$$となる。よって、極大値と極小値の差が最小になるのは、\(b = 0\)、つまり\(a-\frac{1}{a} = 0\)のときであるから、\(a = \pm1\)が求める答えとなる。

解説

軽めの出題で、東京大学のような難関校でもこのような基本的な問題をしっかりと解けるようにしておく事が,大事だという事がわかる。

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