[math]1989年京都大学理系数学問題2

問題

\(n\)個\((n\geq 3)\)の実数\(a_1, a_2, \cdots, a_n\)があり、各\(a_i\)は他の\(n-1\)個の相加平均より大きくはないという。このような\(a_1, a_2, \cdots, a_n\)の組をすべて求めよ。

方針

与えられた条件を立式してみる。

解答

\(\displaystyle{S_n = \sum_{k=1}^{n}{a_k}}\)とすると、条件から任意の\(j (1\leq j\leq n)\)に対して、$$a_j \leq \frac{S_n-a_j}{n-1} \tag{a}$$が成り立つ。式\((a)\)で\(j=1, 2, \cdots, n\)としたものを足すと、$$S_n\leq \frac{nS_n}{n-1}-\frac{S_n}{n-1}$$が成り立つ。すなわち、\(S_n\leq S_n\)である。ここで、式\((a)\)の等号はすべての\(j(1\leq j\leq n)\)で成立する。そうでないと、\(S_n < S_n\)となり矛盾である。すなわち、\(\displaystyle{a_j = \frac{S_n-a_j}{n-1}}\)であり、\(\displaystyle{a_j = \frac{S_n}{n}}\)となるから、求める\(a_1, a_2, \cdots, a_n\)の組は\(a_1 = a_2 = \cdots = a_n\)である。

解説

5分もかからずにあっさり解ける人と、手も足も出なかった、という人に分かれる問題ではないだろうか。結論にギョッとした人も少なくなかっただろう。

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コメント

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