[math]2022年武蔵中学校算数問題4

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問題

図のような、点\(O\)が中心の大小\(2\)つの半円があります。点\(P\)は点\(A\)を出発して大きい半円の円周上を毎秒\(3cm\)の速さで点\(B\)まで進み、\(B\)で\(2\)秒間停止した後、再び同じ円周上を同じ速さで\(A\)まで進み、\(A\)で\(2\)秒間停止します。\(P\)はこの動きを繰り返します。また、点\(Q\)は点\(C\)を出発して小さい半円の円周上を点\(D\)まで進み、\(D\)からは直径\(DC\)上を進んで\(C\)まで戻る動きを繰り返します。\(Q\)は停止することなく毎秒\(2cm\)の速さで動きます。\(P, Q\)が同時に\(A, C\)を出発したとき、次の各問に答えなさい。ただし、この問題では円周率は\(\displaystyle 3\frac{1}{7}\)とします。(式や考え方も書きなさい)。
\((1)\) 点\(Q\)が点\(C\)に初めて戻ってくるのは出発して何秒後ですか。
\((2)\) 角\(POQ\)の大きさが初めて\(45^\circ\)になるのは出発して何秒後ですか。
\((3)\) 点\(Q\)が直径\(CD\)上になく、\(3\)点\(O, P, Q\)が一直線上に並ぶことがあります。初めてそうなるのは出発して何秒後ですか。また、\(3\)回目にそうなるのは出発して何秒後ですか。

問題図。

方針

\((3)\)が難しい。グラフを書く必要がある。

解答

円周率は\(\displaystyle 3\frac{1}{7}=\frac{22}{7}\)であることに注意する。

\((1)\) 円周\(CD\)の距離は\(\displaystyle 7\times \frac{22}{7}=22cm\)である。点\(D\)から\(C\)への距離は\(14cm\)である。点\(Q\)は毎秒\(2cm\)動くから、点\(C\)に初めて戻ってくるのは、\(\displaystyle \frac{22+14}{2}=\underline{18}\)秒後である。

\((2)\) 円周\(AB\)の距離は\(\displaystyle 21\times \frac{22}{7} = 66cm\)である。点\(P\)は毎秒\(3cm\)動くから、点\(B\)につくのは\(22\)秒後である。点\(P\)は\(11\)秒後に\(O\)の真上、円周\(AB\)の半分の位置にいる。このとき、点\(Q\)は点\(D\)に到着している。この半分の\(5.5\)秒後に、点\(P\)は円周\(AB\)の\(\displaystyle \frac{1}{4}\)の位置にいて、また点\(Q\)は\(O\)の真上にいる。このとき角\(POQ\)は\(45^\circ\)になる。よって、答えは\(\underline{5.5}\)秒後である。

\(11\)秒後の\(P, Q\)の位置。
\(5.5\)秒後の\(P, Q\)の位置。

\((3)\) 下のようにグラフを書く。黒線が\(Q\)の動く軌跡で、赤線が\(P\)の動く軌跡である。これをみると、初めて\(OPQ\)が一直線上に並ぶのは、\(P\)は\(B\)から\(A\)に戻る途中で、\(Q\)は\(C\)から\(D\)に向かう途中であることがわかる。\(P, Q\)が出会うまでに経過する時間を\(t\)とすると、\(P\)が進んだ距離のうち、円周\(AB\)の長さにおける割合は、\(\displaystyle \frac{3}{66}\times (t-24)\)である。また、\(Q\)が進んだ距離のうち、円周\(CD\)の長さにおける割合は、\(\displaystyle \frac{22-2\times (t-18)}{22}\)である。これは等しいから、$$\frac{3}{66}(t-24) = \frac{22-2(t-18)}{22}$$となる。よって、\(\displaystyle t = \frac{82}{3}\)となり、\(P, Q\)が初めて出会うのは\(\displaystyle \underline{27\frac{1}{3}}\)秒後である。また、\(3\)回目に出会うのは、下のグラフから\(P\)は\(A\)から\(B\)に向かう途中で、\(Q\)は\(C\)から\(D\)に向かう途中であることがわかる。\(P, Q\)が出会うまでに経過する時間を\(t\)とすると、\(P\)が進んだ距離のうち円周\(AB\)の長さにおける割合は\(\displaystyle \frac{3}{66}\times(t-48)\)である。また、\(Q\)が進んだ距離のうち、円周\(CD\)の長さにおける割合は、\(\displaystyle \frac{2}{22}\times(t-54)\)となる。これは等しいから、$$\frac{3}{66}\times (t-48) = \frac{2}{22}\times (t-54)$$となる。よって、\(\displaystyle t = 60\)となり、\(P, Q\)が\(3\)回目に出会うのは\(\underline{60}\)秒後である。

\(P, Q\)の位置を表すグラフ。黒線が\(Q\)、赤線が\(P\)の動きを表す。

解説

\((2)\) \(P\)が\(B\)に到着するときや、\(Q\)が\(C\)に到着するときが目印になるので、その半分の時間などを考えることで、\(P, Q\)の位置を把握することができる。

\((3)\) とてもむずかしいが、上のようなグラフを描くと\(P, Q\)の位置関係がわかる。具体的な時間を求めるには解答のように比例の方程式を解く必要があるだろう。

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