[math]1994年京都大学前期文系数学問題4

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問題

さいころを\(n\)回続けて投げるとき、\(k\)回目に出る目の数を\(X_k\)とし、\(Y_n = X_1+X_2+\cdots + X_n\)とする。\(Y_n\)が\(7\)で割り切れる確率を\(p_n\)とする。
\((1)\) \(p_n\)を\(p_{n-1}\)を用いて表わせ。
\((2)\) \(p_n\)を求めよ。

方針

漸化式を立てなさいという誘導で、それに従う。

解答

\((1)\) \(n\geq 2\)とする。\(Y_{n-1}\)が\(7\)で割り切れるとき、さいころを振ってどんな目が出ても、\(Y_n = Y_{n-1}+X_n\)は\(7\)で割り切れない。\(Y_{n-1}\)が\(7\)で割って\(i\ (i= 1, 2, 3, 4, 5, 6)\)余るとき、さいころを振って\(7-i\)の目が出れば、\(Y_n\)は\(7\)で割り切れ、それ以外のときは\(7\)で割り切れない。したがって、$$\begin{eqnarray}p_n & = & p_{n-1}\cdot 0+(1-p_{n-1})\cdot \frac{1}{6} \\ & = & \underline{\frac{1-p_{n-1}}{6}}\end{eqnarray}$$である。

\((2)\) \(p_1 = 0\)である。\((1)\)の漸化式を変形して、$$p_{n}-\frac{1}{7} = -\frac{1}{6}\left(p_{n-1}-\frac{1}{7}\right)$$である、したがって、$$\begin{eqnarray}p_n-\frac{1}{7} & = & \left(-\frac{1}{6}\right)^{n-1}\left(p_1-\frac{1}{7}\right)\\ & = & -\frac{1}{7}\left(-\frac{1}{6}\right)^{n-1}\end{eqnarray}$$となる。よって、\(\displaystyle \underline{p_n = \frac{1}{7}\left(1-\left(-\frac{1}{6}\right)^{n-1}\right)}\)となる。

解説

漸化式を立てる問題である。数字が\(7\)で割りきれるなので助かる。漸化式を立てた後の数列の解き方も問題ないだろう。なお、\(\displaystyle \lim_{n\to\infty}{p_n} = \frac{1}{7}\)になっているが、何回もサイコロを振っていくと、\(Y_n\)を\(7\)で割った余りは均等に\(0\)から\(6\)までのどれかになると考えられるので、自然な結果である。

なお、\(1992\)年度の京都大学の問題で、サイコロを振って出た数字の積を考える問題が出題されている。こちらはこの問題よりも多少難し目である。

関連問題

1975年京都大学文系数学問題6 分数漸化式
1991年東京大学前期理系数学問題1 確率と漸化式、対称性
2011年東京医科歯科大学前期数学問題1 確率と漸化式

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