[math]1974年京都大学理系数学問題1

temple math
Photo by Kyle Kroeger on Pexels.com

問題

\(0\leq \alpha < \beta < \gamma \leq 2\pi\)であって、$$\cos{\alpha} + \cos{\beta} + \cos{\gamma} = 0, \sin{\alpha} + \sin{\beta} + \sin{\gamma} = 0$$であるという。\(\beta-\alpha\)と\(\gamma-\alpha\)の値を求めよ。

方針

三角関数の和積の公式を用いてもよいが、図形的意味を考えると\(\cdots\)

解答

\(\overrightarrow{OA} = (\cos{\alpha}, \sin{\beta}), \overrightarrow{OB} = (\cos{\beta}, \sin{\beta}), \overrightarrow{OC} = (\cos{\gamma}, \sin{\gamma})\)とすると、三角形\(ABC\)は単位円に内接する三角形であり、その外心は原点\(O\)である。与えられた条件から、\(ABC\)の重心を\(G\)とすると、\(G\)と\(O\)は一致する。外心と重心が一致する三角形は正三角形以外にない。したがって、三角形\(ABC\)は正三角形で、\(\displaystyle \underline{\beta-\alpha = \gamma-\beta = \frac{2}{3}\pi}\)となる。

\(ABC\)は正三角形になる。

解説

平凡には\(\gamma\)の含まれている項を移行して、\(\cos^2{\gamma}+\sin^2{\gamma}=1\)から\(\gamma\)を消去するところだが、ここでは意味を考えてみる。図を書くと様子が見えてきて、与えられた条件は三角形\(ABC\)の重心が原点と一致するということになるが、そのようになる三角形は正三角形以外にありえない。京大ではしばしばこの構図を題材にした問題が出題されている。言われてみると当然なのかも知れないが一度経験しておくと有利になるだろう。式だけで解ける問題でも座標平面に移植してみることで新しい見方を得ることができることもある。

関連問題

正三角形を題材にした京都大学の問題。

関連リンク

京都大学
京都大学のオフィシャルサイトです。学部・大学院、研究所等の案内や、入試・入学案内、教育研究活動、キャンパスの最新情報など、京都大学に関する情報をご覧いただけます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました