[math]1996年東京医科歯科大学数学問題3

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問題

関数\(f(x) = 4^x-(p+2)2^{x+1} + 4p+q+4\)は区間\([1, \log_{2}{5}-1]\)において、\(0\leq f(x)\leq 1\)をみたしているとする。
\((1)\) 点\((p, q)\)が存在する範囲を座標平面上に図示せよ。
\((2)\) 方程式\(f(x) = 0\)が実数解をもつように\(p, q\)が動くとき\(p-2q\)の最小値と最大値を求めよ。

方針

二次関数の最小値、最大値の問題に帰着される。

解答

\((1)\) \(2^x = t\)として、\(f(x)\)を\(f(t)\)と変換する。このとき\(x\)は区間\(\displaystyle \left[1, \log_{2}{\frac{5}{2}}\right]\)を動くから、\(\displaystyle 2\leq t\leq \frac{5}{2}\)となる。さて、$$\begin{eqnarray}f(t) & = & t^2-2(p+2)t+4p+q+4 \\ & = & (t-(p+2))^2-p^2+q\end{eqnarray}$$であるから、\(f(t)\)が\(\displaystyle 2\leq t\leq \frac{5}{2}\)で取り得る最小値、最大値の候補は\(\displaystyle f(2), f(\left(\frac{5}{2}\right)), f(p+2)\)である。ただし、\(f(p+2)\)が最大値か最小値になるのは、\(\displaystyle 2\leq p\leq \frac{5}{2}\)のときである。$$\begin{eqnarray}f(2) & = & q\\ f\left(\frac{5}{2}\right) & = & -p+q+\frac{1}{4}\\ f(p+2) & = & -p^2+q\end{eqnarray}$$であるから、求める範囲は$$\begin{cases}0\leq q\leq 1\\ \displaystyle 0\leq -p+q+\frac{1}{4}\leq 1\\ \displaystyle 0\leq -p^2+q\leq 1\ \ \left(0\leq p\leq \frac{1}{2}\right)\end{cases}$$である。これらを\(pq\)平面に図示すると、下の斜線部のようになる。ただし、境界はすべて含む。

図形概形。境界はすべて含む。

\((2)\) \(f(x) = 0\)が実数解をもつには\(f(t) = 0\)が少なくともひとつの正の実数解を持てばよい。その条件は\(f(0)\leq 0\ \ (p+2\leq 0)\)または\(f(p+2)\leq 0\ \ (p+2 > 0)\)である。\(f(0) = 4p+q+4, f(p+2) = -p^2+q\)に注意して、$$\begin{cases}4p+q+4\leq 0\ \ (p\leq -2)\\ -p^2+q\leq 0\ \ (p\geq -2)\end{cases}$$である。\((1)\)の結果も考慮すると、\(p, q\)の動く範囲は下図の斜線部のようになる。ただし境界はすべて含む。

図形概形。境界はすべて含む。

ここで\(p-2q = k\)とおけば、\(\displaystyle q = \frac{p}{2}-\frac{k}{2}\)である。したがって、この直線が図の斜線部と交わるときの\(k\)の値の最小値、最大値を求めればよい。\(k\)の値が最大になるのは\(\displaystyle -\frac{k}{2}\)が最小になるときで、をれは直線が\(q = p^2\)に接するときである。このとき、接点を求めると、\(q^{\prime} = 2p\)であるから、\(\displaystyle 2p = \frac{1}{2}\)であり、\(\displaystyle p = \frac{1}{4}\)である。接点は\(\displaystyle \left(\frac{1}{4}, \frac{1}{16}\right)\)で、\(\displaystyle k = \frac{1}{4}-\frac{1}{8} = \frac{1}{8}\)となる。また、\(k\)の値が最小になるのは、\(\displaystyle -\frac{k}{2}\)が最大になるときで、それは直線が点\(\displaystyle (1, 1), \left(-\frac{1}{2}, \frac{1}{4}\right)\)を通るときである。このときは\(k = -1\)となる。以上から、\(k\)の最小値は\(\underline{-1}\)で、最大値は\(\displaystyle \underline{\frac{1}{8}}\)となる。

解説

こういった座標の問題では場合分けが面倒である。一つの考え方として、取り得る最小値、最大値を書き出してからグラフをみて決めてしまうのが簡単である。二次関数の問題の場合、端点と最小値(最小値の場合考えている区間に軸が含まれている必要がある)をすべてあげてから、グラフに書き何処が最大で何処が最小かに注目してなぞってしまえば良い。以下の問題も参照すると良い。

場合分けの考え方が学べる問題。

\((2)\)では、\(2^x = t\)変換しているので\(t > 0\)で実数解を少なくとも一つ持つような条件を考えなくてはいけない。当然\((1)\)で考えた範囲よりは狭い領域になる。また、下の問題と異なり、一文字消去しないで直接考えているが、どちらが楽になるかは問題次第である。両方の方法を使えるようにしておくと実力アップにつながるだろう。

一文字消去することで簡単に解ける問題。

関連問題

上記解説を参照。

関連リンク

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