問題
複素平面上の原点以外の相異なる\(2\)点\(P(\alpha), Q(\beta)\)を考える。\(P(\alpha), Q(\beta)\)を通る直線を\(l\)、原点から\(l\)に引いた垂線と\(l\)の交点を\(R(\omega)\)とする。ただし、複素数\(\gamma\)が表す点\(C\)を\(C(\gamma)\)とかく。このとき、
「\(\omega = \alpha\beta\)であるための必要十分条件は、\(P(\alpha), Q(\beta)\)が中心\(A\left(\frac{1}{2}\right)\)、半径\(\frac{1}{2}\)の円周上にあることである。」
を示せ。
方針
複素平面での直線の方程式や垂線の公式を用いるとややこしくなる。
解答
原点を\(O\)として、\(l\)は原点と\(2\omega\)を結ぶ直線の垂直二等分線であるから、$$\left|2\omega-\alpha\right|=|\alpha|$$となる。同様に考えて、$$\left|2\omega-\beta\right|=|\beta|$$が成り立つ。
- \(\omega=\alpha\beta\)が成り立つ時、上の式に代入すると、$$\left|2\alpha\beta-\alpha\right|=|\alpha|$$となる。両辺を\(|\alpha|\)で割って、$$\left|2\beta-1\right| = 1$$である。すなわち、$$\left|\beta-\frac{1}{2}\right|=\frac{1}{2}$$となる。同じようにして$$\left|\alpha-\frac{1}{2}\right|=\frac{1}{2}$$も導ける。
- \(P, Q\)が\(\left|z-\frac{1}{2}\right|=\frac{1}{2}\)上にある時、\(\left|\alpha-\frac{1}{2}\right|=\frac{1}{2}, \left|\beta-\frac{1}{2}\right|=\frac{1}{2}\)が成り立つ。
$$\left|\alpha-\frac{1}{2}\right|=\frac{1}{2}$$の両辺に\(2|\beta|\)を掛けて、$$|2\alpha\beta-\beta|=|\beta|$$となる。同様にして$$|2\alpha\beta-\alpha|=|\alpha|$$となる。これは、 - \(\alpha, \beta\)を結ぶ直線が、原点と\(2\alpha\beta\)を結ぶ直線に対して垂直二等分線となっていることを示している。すなわち、\(\omega = \alpha\beta\)となる。
解説
複素平面上で、点\(\gamma\)から点\(\alpha\)と点\(\beta\)を結ぶ直線に対する垂線を引いた時、その座標を\(\omega\)とすると、$$|\alpha-\gamma| = |2\omega-\gamma-\alpha|, |\beta-\gamma|= |2\omega-\gamma-\beta|$$が成り立つ。これは図を見ればすぐに分かる。
つまり、図の点\(z\)は、\(\frac{\gamma+z}{2}=\omega\)から\(z=2\omega-\gamma\)となり、点\(\alpha\)と点\(\gamma\)の距離が、点\(\alpha\)と点\(z\)との距離に等しいことから$$|\alpha-\gamma|=|\alpha-(2\omega-\gamma)|$$となる。\(\beta\)についても同様である。
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