[math]2015年東京医科歯科大学数学問題2

mathematical equation written on blackboard math
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問題

実数a,bに対し、f(x)=x33ax+bとおく。1x1における|f(x)|の最大値をMとする。このとき以下の各問いに答えよ。
(1) a>0のとき、f(x)の極値をa,bを用いて表わせ。
(2) b0のとき、Ma,bを用いて表わせ。
(3) a,bが実数全体を動くとき、Mの取りうる値の範囲を求めよ。

方針

適当な平面にグラフを描き、見た目でどこが一番大きいかを調べると良い。

解答

(1) f(x)=3x23ax=3(x+a)(xa)である。a<1のときa<1で、f(x)の極値はf(a)=2a32+b,f(a)=2a32+bとなる。a1のときは1x1に極値は存在しない。

(2) Mの候補は|f(1)|=|1+3a+b|,|f(1)|=|13a+b|,|f(a)|=|2a32+b|,|f(a)|=|2a32+b|である。ただし、後半の二つは0a1のときである。ac平面上に|1+3a+b|=c,|13a+b|=c,|2a32+b|=c,|2a32+b|=cを描くと下の図のようになる。

Mの候補の探索。b0のとき。

一番大きい部分をたどったものがMとなる。なお、|13a+b|=c2a32+b=cはこれを連立させて、13a=2a32として、a=tとすると、2t3+3t21=0(t+1)(2t2+t+1)=0(t+1)2(2t1)=0となり、0<t<1での解を求めて、t=12となる。すなわち、a=14である。また、|1+3a+b|=c|2a32+b|=c(a,b)=(1,2)で接することに注意する。以上から、b0のときM={13a+b  (a14)2a32+b  (14a1)1+3a+b  (a1)となる。

(3) b0のときMが最小値を取るのはa=14のときで、このときM=1+3a+b=14+bである。したがって、M14である。b0のとき、同じようにグラフを書くと、以下のようになる。

Mの探索。b0のとき。

これから、b0のとき、M={13ab  (a14)2a32b  (14a1)1+3ab  (a1)となる。Mが最小値を取るのはa=14のときでM=34bである。したがって、M14である。

以上から、a,bが実数全体を動くとき、Mの取りうる範囲はM14となる。

解説

以下の問題とほとんど同一であり、参考にすると良い。

関連問題。

コツは、まず最初に候補となる値をざっと上げてしまってからそれをグラフに描き、その上で細かい場合分けを考慮するという点である。初めてからきれいに場合分けしてグラフを描こうとするとミスが起きる。グラフを描いてから、一番大きい部分をたどればそれが最大値になるし、一番小さい部分をたどれば最小値になる(試験場では太線などでわかりやすくすると良い)。一度グラフを描いてしまえば、「最大値の最小値」あるいは「最小値の最大値」などはすぐに求めることができるだろう。

関連問題

1979年東京大学理系数学問題4 距離の最大値、最小値と円、正三角形
1996年東京医科歯科大学数学問題3 領域と最小値、最大値、交わる曲線
1998年東京工業大学数学問題1 領域と最大値、最小値、交わる曲線

関連リンク

Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学

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