問題
\(xyz\)空間において、点\(O(0, 0, 0)\)と点\(A(0, 0, 1)\)を結ぶ線分\(OA\)を直径にもつ球面を\(\sigma\)とする。このとき以下の各問に答えよ。
\((1)\) 球面\(\sigma\)の方程式を求めよ。
\((2)\) \(xy\)平面上にあって\(O\)と異なる点\(P\)に対して、線分\(AP\)と球面\(\sigma\)との交点を\(Q\)とするとき、\(\overrightarrow{OQ} \perp \overrightarrow{AP}\)を示せ。
\((3)\) 点\(S(p, q, r)\)を、\(\overrightarrow{OA}\cdot \overrightarrow{AS} = -|\overrightarrow{OS}|^2\)を満たす、\(xy\)平面上にない定点とする。\(\sigma\)上の点\(Q\)が\(\overrightarrow{OS}\perp \overrightarrow{SQ}\)を満たしながら動くとき、直線\(\overrightarrow{AQ}\)と\(xy\)平面との交点\(P\)はどのような図形を描くか。\(p, q, r\)を用いて答えよ。
方針
\((3)\) まずは\(S\)がどのような点であるかを調べてみる。図形的な考察も可能であろうが、\(p, q, r\)を用いてという指定があるので、座標空間の手法を用いるのが一番だろう。
解答
\((1)\) \(\sigma\)の中心は\(\displaystyle \left(0, 0, \frac{1}{2}\right)\)で、直径は\(\displaystyle \frac{1}{2}\)だから、方程式は\(\displaystyle \underline{x^2+y^2+\left(z-\frac{1}{2}\right)^2 = \frac{1}{4}}\)となる。
\((2)\) \(xz\)平面による断面を考える。三角形\(OAQ\)は円に内接し、\(OA\)は直径なので、\(\overrightarrow{OQ}\perp \overrightarrow{AP}\)が成り立つ。
\((3)\) \(S(p, q, r)\)であり、\(\overrightarrow{OS}\cdot \overrightarrow{AS} = – |\overrightarrow{OS}|^2\)であるから、$$\begin{eqnarray}(p, q, r)\cdot (p, q, r-1) & = & -(p^2+q^2+r^2)\\ \iff p^2+q^2+r^2-r & = & -(p^2+q^2+r^2)\\ \iff 2(p^2+q^2+r^2)-r & = & 0 \tag{a}\label{a} \end{eqnarray}$$となる。\(P(x, y, 0)\)とする。\(\overrightarrow{OQ} = t\overrightarrow{OP} + (1-t)\overrightarrow{OA}\)とすると、\(Q (tx, ty, 1-t) \)となる。\((2)\)から\(\overrightarrow{OQ}\perp \overrightarrow{AP}\)であるから、$$\begin{eqnarray}\overrightarrow{AP}\cdot \overrightarrow{OQ} & = & 0\\ \iff (x, y, -1)\cdot (tx, ty, 1-t) & = & 0\\ \iff t(x^2+y^2 + 1) & = & 1\end{eqnarray}$$から、$$t = \frac{1}{x^2+y^2+1} \tag{b}\label{b}$$となる。また、\(\overrightarrow{OS}\cdot \overrightarrow{SQ} = 0\)だから、$$\begin{eqnarray}(p, q, r)\cdot (tx-p, ty-q, 1-t-r)\\ \iff t(px+qy-r) -p^2-q^2-r^2+r & = & 0\ \tag{c}\label{c}\end{eqnarray}$$である。\eqref{c}に\eqref{a}, \eqref{b}を代入して、$$\frac{px+qy-r}{x^2+y^2+1} = -\frac{1}{2}r$$となる。\(r\ne 0\)に注意して変形・整理すると、$$\begin{eqnarray}\left(x+\frac{p}{r}\right)^2 + \left(y+\frac{q}{r}\right)^2 & = & 1 + \frac{p^2+q^2}{r^2}\\ & = & \frac{r}{2r^2} \\ & = & \frac{r}{2}\end{eqnarray}$$となる。よって、点\(P\)は\(xy\)平面上で中心\(\displaystyle \left(-\frac{p}{r}, -\frac{q}{r}, 0\right)\)で半径が\(\displaystyle \sqrt{\frac{1}{2r}}\)の円を描く。
解説
\((1), (2)\)はどうということはない。\((3)\)も流れに乗ることができれば難しくはないが、何を最初に文字で表すかで明暗が別れたかもしれない。目標は\(P\)の座標なので、最初から\(P\)の座標を追求するのが良いだろう。
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