問題
次の各問いに答えよ。なお自然数\(n\)に対し\(1\)および\(n\)自身も\(n\)の約数であることに注意せよ。
\((1)\) \(n = 3^p5^q\) (\(p, q\)は自然数)のとき、\(n\)の約数の個数を\(p, q\)を用いて表わせ。
\((2)\) 次の\(3\)条件をみたす自然数\(n\)を\(5\)個求めよ。
\(\ \ \ (a)\) \(n\)は\(12\)で割りきれる。
\(\ \ \ (b)\) \(n\)は\(5\)以上の素数では割りきれない。
\(\ \ \ (c)\) \(n\)の約数は\(\displaystyle \frac{n}{12}\)個以上ある。
\((3)\) \((2)\) の\(3\)条件をみたす自然数\(n\)のうち最大なものを求めよ。
方針
\((3)\) しっかりと解答の流れの記述をした方がよい。
解答
\((1)\) \(n\)の約数はすべて\(3^k5^l\ \ (0\leq k\leq p, 0\leq l\leq q)\)の形に表されるが、\(k\)は\(0\sim p\)の\(p+1\)通り、\(l\)は\(0\sim q\)の\(q+1\)通りをとるから、\(n = 3^p5^q\)の約数の個数は\(\underline{(p+1)(q+1)}\)個である。
\((2)\) 条件\((a), (b)\)から\(n = 12\cdot 2^a3^b = 2^{a+2}\times 3^{b+1}\)とおける。ただし、\(a, b\)は\(0\)以上の整数である。\(n = 2^{a+1}\times 3^{b+1}\)の形をした整数は小さい順に\(\underline{12, 24, 36, 48, 72}\)であるが、これらの約数の個数はそれぞれ順番に\(6, 8, 9, 10, 12\)個である。つまり、どれも条件\((c)\)を満たす。
\((3)\) \(n = 2^{a+2}\times 3^{b+1}\)の約数の個数は、\((1)\)から\((a+3)(b+2)\)個であるから、条件\((c)\)から\((a+3)(b+2)\geq 2^a\times 3^{b}\)である。これを変形すると、$$\frac{a+3}{2^a}\geq \frac{3^b}{b+2} \tag{a}\label{a}$$である。負でない整数\(a, b\)に対して、\eqref{a}の左辺を\(f(a)\)、右辺を\(g(b)\)とする。$$f(0) = 3, f(1) = 2, f(2) = \frac{5}{4}, f(3) = \frac{3}{4}, \cdots$$であり、$$g(0) = \frac{1}{2}, g(1) = 1, g(2) = \frac{9}{4}, g(3) = \frac{27}{5}, \cdots$$である。式を見ると、\(f(a)\)は減少関数で、\(g(b)\)は増加関数であることが予想されるので、これを示す。$$\begin{eqnarray}\frac{f(a)}{f(a+1)} & = & \frac{3+a}{2^a}\cdot \frac{2^{a+1}}{4+a}\\ & = & \frac{2(3+a)}{4+a}\end{eqnarray}$$であるが、どんな負でない整数\(a\)に対しても、$$\frac{2(3+a)}{4+a} > 1$$、すなわち\(2+a > 0\)が成り立つから、\(f(a) > f(a+1)\)である。よって、\(f(a)\)は減少関数である。同様に、$$\begin{eqnarray}\frac{g(b+1)}{g(b)} & = & \frac{3^{b+1}}{3+b}\cdot \frac{2+b}{3^{b}}\\ & = & \frac{3(2+b)}{3+b}\end{eqnarray}$$であるが、どんな負でない整数\(b\)に対しても、$$\frac{3(b+2)}{b+3} > 1$$、すなわち\(2b+3 > 0\)が成り立つから、\(g(b+1) > g(b)\)である。よって、\(g(b)\)は増加関数である。すると、\(b\geq 3\)のときは常に\(g(b) > f(0) = 3\geq f(a)\)となるから、上の\(f(a)\)と\(g(b)\)の値も参考にすると、\(f(a)\geq g(b)\)となるのは、\(a = 0\)のときは\(b = 0, 1, 2\)、\(a = 1\)のときは\(b = 0, 1\)、\(a = 2\)のときは\(b = 0, 1\)、\(a = 3\)のときは\(b = 0\)である。このうち、\(n\)が最大になるのは、下の表も参考にして、\((a, b) = (2, 1)\)のときで、その値は\(\underline{144}\)となる。\begin{array}{|c|*5{c|}}\hline a & b & 2^{a+2} & 3^{b+1} & n\\ \hline 0 & 0 & 4 & 3 & 12 \\ \hline 0 & 1 & 4 & 9 & 36 \\ \hline 0 & 2 & 4 & 27 & 108\\ \hline 1 & 0 & 8 & 3 & 24 \\ \hline 1 & 1 & 8 & 9 & 72 \\ \hline 2 & 0 & 16 & 3 & 48 \\ \hline 2 & 1 & 16 & 9 & 144 \\ \hline 3 & 0 & 32 & 9 & 96\\ \hline \end{array}
解説
\((1)\) これは確実に取らなければならない。結果だけでも良いが、自分の力で説明できるようにしておく。
\((2)\) \(12\)の倍数を適当にあげていく。\((3)\)の結果をみると、それほど多くの数は条件に適合しないことがわかる。
\((3)\) 答えだけなら誰でも出せるが、きちんと説明するのは意外と厄介。適当な記述だと大幅に差がつけられてしまいそうである。数列で\(a_{n+1} > a_n\)を示すときの定石は$$\frac{a_{n+1}}{a_n} > 1\ \ (a_n > 0)$$を示すことである。色々な場面でこれは現れるので、抑えておくとよい。解答の\(f(a)\)や\(g(b)\)を実数の関数と見て微分してもよいが、やや大げさな気もする。どんな解き方をするにせよ、解答の最後の表のようなものを書く必要はあるだろう。
関連問題
2016年東京医科歯科大学数学問題1 約数の和と素数
2022年京都大学理系数学問題3 合同式と整数、最大公約数、Euclidの互除法


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