[math][東京工業大学][複素数平面]2018年東京工業大学数学問題1

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問題

a,b,cを実数とし、3つの2次方程式x2+ax+1=0  ・・・・・・①x2+bx+2=0  ・・・・・・②x2+cx+3=0  ・・・・・・③の解を複素数平面で考察する。
(1) 2つの方程式①, ②がいずれも実数解を持たないとき、それらの解はすべて同一円周上にあるか、またはすべて同一直線上にあることを示せ。また、それらの解がすべて同一円周上にあるとき、その円の中心と半径をa,bを用いて表わせ。
(2) 3つの方程式①, ②, ③がいずれも実数解を持たず、かつそれらの解がすべて同一円周上にあるための必要十分条件をa,b,cを用いて表わせ。

方針

(1)が当たり前と思えるかどうか

解答

(1) が実数解を持たないとき、a24<0が必要で、解はx=a±i4a22である。が実数解を持たないとき、b28<0が必要で、解はb±i8b22である。①, ②は実数解を持たないので、①, ②の解の実部が等しい場合(a=bのとき)と、そうでない場合(abのとき)がある。

a=babの場合。

前者の場合、虚部が一致すると仮定すると、4a2=8b24a2=8b2b2a2=4となり成り立たないので、虚部が異なる。したがって、解は同一直線上にある。後者の場合は実部が異なるので虚部が同一でも異なっていても解は同一円周上にある。すべての解が同一円周上にあるとき、円の中心は対称性から実軸上にあるが、その座標をpとすると、(p+a2)2+(4a22)2=(p+b2)2+(8b22)2が成り立つ。これを整理すると、p=1ab  (ab)となる。すると、(p+a2)2+(4a22)2=p2+ap+1=1(ab)2+aab+1=2a23ab+b2+1(ab)2である。分子は2a23ab+b2+1=(b3a2)2+1a24であるから、正である。したがって、円の中心は1abで、半径は2a23ab+b2+1|ab|となる。

(2) a=b=cのとき①, ②, ③の実部はすべて等しく、虚部はそれぞれ異なるので、解は同一直線上にある。したがって、まずab,bc,caが必要である。が実数解を持たないとき、c212<0が必要で、解はx=c±i12c22である。(1)の円周をxy座標で表現すると、(x1ab)2+y2=2a23ab+b2+1(ab)2である。この円周上に点(c2,12c22)があれば良い。(c21ab)2+(12c22)2=2a23ab+b2+1(ab)2c24+cab+1(ab)2+12c24=2a23ab+b2+1(ab)2cab+3=aab+1acab=2a+c=2bである。したがって、求める条件はab,bc,ca,2<a<2,22<b<22,23<c<23,a+c=2bである。

解説

特に複素数平面で考える必要もないので、座標平面で考えると良い。

関連問題

1997年東京医科歯科大学数学問題1 複素数平面と座標
1999年東京医科歯科大学数学問題2 複素数平面と二次形式、楕円
2000年東京大学理系前期第2問 複素数平面の名問題
2020年東京工業大学前期数学問題2 複素数平面

関連リンク

https://www.titech.ac.jp/

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