[math][東京医科歯科大学][総合問題]2000年東京医科歯科大学数学問題1

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問題

箱の中には\(2\)枚のカードが入っていて、\(1\)枚には複素数\(1+i\)が、他の\(1\)枚には\(\displaystyle \frac{1-i}{2}\)が記入してある(\(i\)は虚数単位)。この箱からランダムに\(1\)枚のカードを取り出し、カードに記された複素数を記録した後にカードを元の箱に戻す。この操作を何度も繰り返し、第\(n\)回目の操作で記録された複素数を\(u_n\)とする。\(u_1\)から\(u_n\)までの積\(z_n = u_1u_2\cdots u_n\)に関して以下の確率を求めよ。
\((1)\) \(z_4 = 1\)となる確率。
\((2)\) \(|z_{10}| < 6\)となる確率。
\((3)\) \(n\)が偶数のとき、\(z_n\)が虚数となる確率。

方針

複素数は絶対値と偏角を出しておく。

解答

\((1)\) \(1 + i = \sqrt{2}(\cos{45^\circ}+ i\sin{45^{circ}})\)であり、\(\displaystyle \frac{1-i}{2} = \frac{1}{\sqrt{2}}(\cos{(-45^\circ)}+i\sin{(-45^\circ)})\)である。\(z_4 = 1\)となるとき、\(1+i\)は\(2\)回、\(\displaystyle \frac{1-i}{2}\)も\(2\)回箱から取り出される。そのような取り出し方は全部で\(_{4}{\mathbb{C}}_{2} = 6\)通りで、カードの全部の取り出し方は\(2^4 = 16\)通りである。よって求める確率は\(\displaystyle \frac{6}{16} = \underline{\frac{3}{8}}\)である。

\((2)\) \(1+i\)が取り出される回数を\(k\)回とする(\(k = 0, 1, \cdots, 10\))。このとき\(\displaystyle \frac{1-i}{2}\)の取り出される回数は\(10-k\)回である。このとき、$$\begin{eqnarray}|z_{10}| & = & 2^{\frac{k}{2}}\cdot 2^{-\frac{10-k}{2}}\\ & = & 2^{k-5}\end{eqnarray}$$となる。これは\(k\)の増加列で、\(k = 7\)のとき\(|z_{10}| = 4\)、\(k = 8\)のとき\(|z_{10}| = 8\)となるから、\(k = 8, 9, 10\)のとき\(|z_{10}|\geq 6\)となる。\((1)\)と同様に考えると、\(|z_{10}|\geq 6\)となる確率は$$\begin{eqnarray}\frac{1}{2^{10}}\left(_{10}{\mathbb{C}}_{8} + _{10}{\mathbb{C}}_{9} + _{10}{\mathbb{C}}_{10}\right) & = & \frac{1}{2^{10}}(45+10+1)\\ & = & \frac{7}{128}\end{eqnarray}$$となる。したがって、\(|z_{10}| < 6\)となる確率は\(\displaystyle 1-\frac{7}{128} = \underline{\frac{121}{128}}\)である。

\((3)\) 求める確率を\(p_n\)とする。\(z_n\)が虚数のとき\(z_{n+2}\)も虚数になるのは、
\(\ \ (a)\) \(1+i\)が\(1\)回、\(\displaystyle \frac{1-i}{2}\)が\(1\)回出る場合である。この確率は\(\displaystyle \frac{2}{4} = \frac{1}{2}\)である。

また、\(z_n\)が実数のとき、\(z_{n+2}\)が虚数になるのは、
\(\ \ (b)\) \(1+i\)が\(2\)回出る。
\(\ \ (c)\) \(\displaystyle \frac{1-i}{2}\)が\(2\)回出る。

の\(2\)通りがある。\((b), (c)\)の確率は\(a\)の余事象であるから、\(\displaystyle 1-\frac{1}{2}\)である。以上から、$$\begin{eqnarray}p_{n+2} & = & \frac{1}{2}\cdot p_n + \frac{1}{2}\cdot(1-p_n)\\ & = & \frac{1}{2}\end{eqnarray}$$となる。\((a)\)から\(\displaystyle p_2 = \frac{1}{2}\)であるから、\(n\)が偶数のとき\(z_n\)が虚数となる確率は\(\displaystyle \underline{\frac{1}{2}}\)となる。

解説

\((1)\) まずは腕ならしという問題。

\((2)\) 余事象を考えるのが簡単だろう。

\((3)\) 漸化式を作成するのが簡単だろう。確率の一般項\(p_n\)を求める問題では常に漸化式が作られるかどうかを考えるのが良い。

関連問題

1971年東京大学文理共通問題文系問題2理系問題2 漸化式と数列、不等式
1975年東京大学理系数学問題6 確率と期待値の漸化式
1993年東京大学理系前期数学問題5 確率と漸化式、個別に考える
2007年東京医科歯科大学前期数学問題2 確率と座標平面、漸化式
2011年東京医科歯科大学前期数学問題1 確率と漸化式
2014年東京医科歯科大学数学問題1 数え上げと数列、漸化式

関連リンク

Science Tokyo 旧・東京医科歯科大学

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