問題
三角形\(ABC\)の外心\(O\)から直線\(BC, CA, AB\)に下ろした垂線の足をそれぞれ\(P, Q, R\)とするとき、\(\overrightarrow{OP} + 2\overrightarrow{OQ} + 3\overrightarrow{OR} = \overrightarrow{0}\)が成立しているとする。
\((1)\) \(\overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OB}, \overrightarrow{OC}\)の関係式を求めよ。
\((2)\) \(\angle{A}\)の大きさを求めよ。
方針
たとえば\(\overrightarrow{OP}\)について、線分\(BC\)の中点になるから、\(\displaystyle \overrightarrow{OP} = \frac{\overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC}}{2}\)となる。\((2)\)では係数を眺めて、三平方の定理が思い浮かべば方針が見えてくる。
解答
\((1)\) \(\displaystyle \overrightarrow{OP} = \frac{\overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC}}{2}, \overrightarrow{OQ} = \frac{\overrightarrow{OC} + \overrightarrow{OA}}{2}, \overrightarrow{OR} = \frac{\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB}}{2}\)であるから、\(\overrightarrow{OP} + 2\overrightarrow{OQ} + 3\overrightarrow{OR} = \overrightarrow{0}\)に代入して、$$\frac{\overrightarrow{OB} + \overrightarrow{OC}}{2} + 2\cdot \frac{\overrightarrow{OC} + \overrightarrow{OA}}{2} + 3\cdot \frac{\overrightarrow{OA} + \overrightarrow{OB}}{2} = \overrightarrow{0}$$となる。整理して、\(\underline{5\overrightarrow{OA} + 4\overrightarrow{OB} + 3\overrightarrow{OC} = \overrightarrow{0}}\)となる。
\((2)\) \((1)\)の結果を変形して、\(5\overrightarrow{OA} = -(4\overrightarrow{OB} + 3\overrightarrow{OC})\)である。両辺の絶対値を取って二乗すると、$$25|\overrightarrow{OA}|^2 = 16|\overrightarrow{OB}|^2 +24\overrightarrow{OB}\cdot \overrightarrow{OC} + 9|\overrightarrow{OC}|^2$$である。\(|\overrightarrow{OA}| = |\overrightarrow{OB}| = |\overrightarrow{OC}|\)に注意すると、\(\overrightarrow{OB}\cdot \overrightarrow{OC} = 0\)となるので、\(\angle{BOC} = 90^\circ\)である。ここで、\(\displaystyle \overrightarrow{OA} = -\frac{4\overrightarrow{OB} + 3\overrightarrow{OC}}{5}\)であるから、点\(A\)の位置は下の図のようになる(点\(A^{\prime}\)の位置にはない)。したがって、円周角の定理から\(\displaystyle \angle{A} = \frac{\angle{BOC}}{2} = \underline{45^\circ}\)となる。

解説
この問題の構図に関して、京大で出題された後あちこちの大学で出題されるようになった。鍵は\(2\)つあり、\(5, 4, 3\)と係数に現れることから三平方の定理\(3^2+4^2 = 5^2\)を連想出来たかどうか、もうひとつは、点\(A\)が劣弧\(BC\)上に無いことに言及できているか、である。
一つ目に関してはなんとかなるかもしれないが、二つ目に関しては抜け落ちてしまった受験生がとても多かったという。多くの大学で出題されている類題に関してもこの場合分けが出来たかどうかが得点を大きく左右している。
関連問題
1970年京都大学理系数学問題3 空間とベクトル
1972年京都大学数学問題文理共通理系問題1文系問題1 ベクトルと論証
1972年京都大学数学文理共通問題文系問題3理系問題4 ベクトルと論証、平行四辺形
1973年京都大学理系数学問題3 ベクトルと一次独立、正三角形
1975年京都大学理系数学問題4 定円と三角形、ベクトル
1976年京都大学文理共通問題文系問題2理系問題2 平面上のベクトルと整数
1978年京都大学数学文理共通問題文系問題2理系問題2 ベクトルと数と式、相加平均、相乗平均
1981年京都大学理系数学問題2 空間ベクトルと一次独立
1983年京都大学文理共通問題文系問題4理系問題4 ベクトルと空間図形、体積
1984年京都大学理系数学問題4 内接円とベクトル
1985年京都大学文理共通数学問題文系問題1理系問題1 ベクトルと座標設定
1986年京都大学数学理系問題4 ベクトルと外接円、論証
1988年京都大学A日程文理共通問題文系問題2理系問題2 内分点とベクトル
1989年京都大学前期理系数学問題4 空間座標とベクトル
1991年京都大学後期理系数学問題3 空間座標とベクトル
1998年京都大学前期理系問題3 四面体、ベクトル
2004年京都大学前期文系数学問題3 角の二等分線とベクトル
2005年京都大学後期文理共通問題文系問題4理系問題4 空間ベクトルと一次独立
2008年京都大学前期理系乙数学問題3 ベクトルと一次独立
2022年京都大学理系数学問題4 空間ベクトル
関連リンク



コメント